今、なぜAIなのか — 使う人と使わない人で「収入とコスト」の差がつき始めた
はじめまして。AI検証隊、隊長です。
地方で会社を経営しながら、AIを実務に投入して「何がどこまでできるのか」を確かめてきました。この連載「AIとお金の探検記」では、その検証結果を数字で報告していきます。
第1回の検証テーマは、そもそも論です。
「今、なぜAIなのか」。
結論から言います。AIを使う人と使わない人の差は、もう「意識の差」ではなく、収入とコストの数字に出はじめています。この記事では、その根拠になるデータを3つだけ見せます。全部、出どころ付きです。
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数字その1: AIスキルがある人の給料は、62%高い
まず個人の収入の話から。
PwCが世界27の国と地域、10億件超の求人広告を分析した「Global AI Jobs Barometer」という調査があります。その2026年版によると、AIスキルを求める仕事の賃金は、そうでない仕事より平均62%高いという結果が出ています。
この数字、去年からの伸び方がすごい。
2024年の調査では 25%
2025年の調査では 56%
2026年の調査では 62%
2年で2倍以上です。つまり「AIが使える」ことの値段は、いま急速に上がり続けています。
さらに同じ調査では、AIスキルを求める求人は2019年比で69%増えている一方、求人市場全体の伸びは9%。約8倍のスピードで「AIを使える人の席」が増えていることになります。
数字その2: 会社側でも、生産性の伸びが約4倍違う
次は会社側。経営者としてはこちらが本題です。
同じPwCの2025年版の調査では、生成AIが普及し始めた2022年以降、AIの影響が大きい業界の生産性の伸びは、それ以前の約4倍になっています(2018〜2022年の7%に対し、2018〜2024年は27%)。
従業員1人あたりの売上の伸びで見ても、AIの影響が大きい業界は27%、小さい業界は9%。3倍の差です。
「AIで仕事が楽になるらしい」という体感の話ではなく、業界単位の売上と生産性の統計に、もう差が出ている。これが2026年の現在地です。
数字その3: それでも日本人の7割は、まだ使っていない
「もう遅いのでは」と思った人にこそ、3つ目の数字を見てほしい。
総務省の令和7年版・情報通信白書(2025年7月公表)によると、日本で生成AIを使ったことがある個人は26.7%。中国の81.2%、アメリカの68.8%、ドイツの59.2%と比べると、大きく出遅れています。
企業も同じで、生成AIの活用方針を決めている企業は、日本では約5割。中国・アメリカ・ドイツはいずれも約9割です。
これは悪いニュースに見えて、個人にとってはまだ差がつけられる余地が大きいという話でもあります。日本ではまだ7割以上の人が使っていない。前年の利用率が9.1%だったので1年で約3倍に増えてはいますが、それでもこの水準です。
周回遅れの国にいるということは、国内ではまだ「使っているだけで先頭集団」に入れるということです。
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隊長の実感: 仕事の組み立てそのものが変わった
ここまでは世界のデータ。ここからは、私自身の話を少しだけ。
私は地方で従業員数名の会社を経営しています。2023年からAIを実務に入れはじめて、いまは見積、提案書、開発、コンテンツ制作といった日常業務の多くをAIと一緒に回しています。
正直に言うと、最初の半年はうまくいきませんでした。「AIに聞けば何でもやってくれる」と思って雑に投げて、使えない答えが返ってきて、「まだ実務では無理だな」と放置した期間もあります。
変わったのは、仕事の渡し方を変えてからです。人に仕事を頼むときと同じで、背景と条件と完成形を伝える。そうしたら、外注していた仕事の一部が社内で完結するようになり、私自身の作業時間の使い方が明らかに変わりました。
で、具体的に何時間浮いて、いくら浮いたのか。
それをちゃんと数えて公開するのが、この連載の仕事です。体感の話で終わらせず、次回以降、実際の業務の時間とお金を測って報告します。
「様子見」が最悪手である理由
最後に、第1回の結論です。
AIの差が怖いのは、複利で開くことです。
AIを使う人は、使うほど「AIへの仕事の渡し方」がうまくなります。このスキルは特定のツールに依存しません。ツールが入れ替わっても持ち越せる資産です。つまり、始めるのが遅れた分だけ、単純な期間の差ではなく、蓄積の差として開いていきます。
賃金プレミアムが25%→56%→62%と伸びてきた数字は、この蓄積に市場が値段をつけはじめた、ということだと私は解釈しています。
幸い、日本はまだ7割の人が使っていません。今日始めれば、国内ではまだ早い側です。
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次回予告
第2回は「企業も個人もAI時代 — 会社は『浮かせる』、個人は『稼ぐ』。両方の地図」。
AIとお金の関係を、「稼ぐ(副業)」と「浮かせる(効率化)」の2枚の地図に整理します。自分がどちらから始めるべきかが分かる回にします。
この連載では、AI副業で本当に稼げるのか、AIで業務は何時間浮くのか、すべて私が実際にやって、数字で報告します。うまくいった話も、失敗した話も全部書きます。
一緒に確かめたい人は、フォローして隊員になってください。
本日の検証記録は以上。次の検証もお楽しみに。
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出典
PwC「2026 Global AI Jobs Barometer」(賃金プレミアム62%・AIスキル求人の伸び69% vs 全体9%)
PwC「2025 Global AI Jobs Barometer」(賃金プレミアム56%・生産性の伸び約4倍・従業員あたり売上の伸び27% vs 9%)
総務省「令和7年版 情報通信白書」(個人の生成AI利用経験 日本26.7%・中国81.2%・米国68.8%・ドイツ59.2%、企業の活用方針策定 日本約5割)
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