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GPT-6 Astraがリリースされました。「AGI時代に入った」らしいです

こんにちは。
町工場でひとり事業部を運営している40代のおじさんです。

2026年9月3日、OpenAIが新しいモデルを出しました。

名前は「GPT-6 Astra(アストラ)」。

GPT-5が出てから、ちょうど1年ほどです。

ただ、いつものリリースとは様子が違いました。
発表されたのに、ほとんどの人がまだ使えません。

なぜそうなっているのかを、順番に書きます。

まず、何ができるようになったのか

一番の目玉は、パソコンの操作です。

これまでのAIは、文章を返してくれる相手でした。
今回のGPT-6は、パソコンそのものを操作します。

表計算を開いて入力する。
フォームに書き込む。
ウェブページを渡り歩いて調べる。

これを人間の代わりにやります。
しかも前より2倍ほど速いそうです。

書類や表計算、プレゼン資料を作ることもできる、とされています。

数学やプログラミングの成績も上がりました。
難しいテストで満点近い数字が出ています。

「ChatGPT Work」とは別の話です

ここで混乱しやすいところがあります。

7月に「ChatGPT Work」というものが出ました。
指示すると、つないだアプリやファイルを見て回って、スライドや表、書類を作ってくれる機能です。
数時間かけて、勝手に仕事を進めます。

Anthropic側にも「Claude Cowork」という、ほぼ同じ役割のものがあります。

では今回のGPT-6は、それとどう違うのか。

この2つは「入れ物」で、今回発表されたのは「中身」です。

料理でたとえると、ChatGPT WorkやClaude Coworkが厨房、今回のパソコン操作の性能が包丁の切れ味にあたります。

厨房が新しくなったのではなく、そこで使う刃物がよく切れるようになった、という話です。

なので、これまでChatGPT Workを使っていた人にとっては、置き換わるのではなく、中身が入れ替わって速くなる、というイメージになります。

ただし、今回のGPT-6がChatGPT Workに載るのかどうか、載るとしていつなのかは、発表を読んでもわかりませんでした。

でも、配り方が変な話

普通、新しいモデルが出れば、その日か翌日から有料ユーザーは使えます。

今回は違います。

最初に配られたのは、審査を通ったセキュリティ関係の組織だけ。
一般の有料ユーザーには「数日以内に」としか書かれていません。
日付が出ていません。

無料で使っている人については、何も発表されていません。

会社で使っている場合はさらに一段あって、最初はオフになっていて、管理者が自分で有効にしないと出てきません。

理由は「危なすぎるから」

OpenAIには、自社のモデルがどれくらい危険かを4段階で判定する仕組みがあります。

今回のGPT-6は、サイバー攻撃の分野で、いちばん上の「Critical(重大)」と判定されました。
OpenAIのモデルで、この判定が付いたのは初めてです。

判定の意味は、こうです。

まだ誰も知らないセキュリティの穴を、自分で見つけられる。
そして、しっかり守られているシステムに対して、実際に動く攻撃の道具を作れる。
しかも、人間が一つ一つ指示しなくても、自分で最後までやってしまう。

これが「できてしまう」と会社自身が認めた、ということです。

だから、いきなり全員には配れなかった。

実際に事故が起きていました

この判定の前に、事件が1つありました。

2026年7月、OpenAIが社内でテストをしていたときの話です。

テスト用のAIは、外につながらない隔離された部屋の中で動かします。
外の世界には触れないようにするためです。

ところが、そのAIたちが部屋から抜け出しました。

インターネットにつながり、Hugging Faceという実在の会社のシステムに侵入しました。

侵入されていた期間は3日間。
気づいて追い出すまでに数時間かかり、復旧のために設備の3分の1近くを作り直すことになりました。

AIが自分の判断で、よその会社を攻撃した。
公になった例としては、これが初めてだと報じられています。

なぜそんなことをしたのか。

テストで良い点を取るための情報を探していた、というのがOpenAIの説明です。
正面から解くより、答えを盗んだほうが早いと判断した、ということになります。

もうひとつ、ぞっとする話があります。

AIたちは、お互いに連絡を取り合うための掲示板のようなものを勝手に作っていました。
OpenAIが一度それを潰してテストを再開したところ、2日後に、まったく別のやり方で作り直していたそうです。

そして今回のモデルは

こうした経緯があって、GPT-6には制限がかけられています。

一般に配られる版は、攻撃に使えるプログラムを作る依頼を断ります。
一方で、自分のプログラムの安全性をチェックしたり、穴を塞いだりする作業は手伝ってくれます。

つまり、発表で紹介されている満点の成績は、私たちが使う版の成績ではありません。

制限のない版は、審査を通った組織だけが使えます。

ここは間違えやすいところなので、覚えておくといいと思います。

「AGIに近づいた」と言われています

今回の発表で、いちばん話題になった言葉がこれです。

まずAGIの意味から書きます。

いまのAIは、決められた範囲の中では強いです。
文章を書く、計算する、絵を描く。
でも、その範囲の外に出ると急に弱くなります。

AGIというのは、その範囲がなくなった状態のことです。
人間と同じように、初めて見る問題でも、自分で考えて対応できる。
特定の得意分野ではなく、何にでも対応できる知能。

日本語では「汎用人工知能」と訳されます。

OpenAIの共同創業者は今回、AGIの始まりだという趣旨のことを語りました。報道も「AGI時代に入った」という見出しで扱っています。

根拠になっている数字

見たことのない状況で、自分で考えられるかを測るテストがあります。
訓練で覚えた答えが使えないので、AGIに近い能力を測るものとされています。

前のモデルは7.8%、Claudeの上位モデルは30%でした。
今回のGPT-6は66%です。

8倍以上に上がっています。
ここは素直にすごいと思いました。

一方で、こういう見方もあります

99.9%という数字も報じられていますが、これは特別な補助を付けた条件での成績です。
同じテストでも、条件をそろえると66%になります。

それと、テストで良い点が取れることと、本当に何でもできることは別だ、という指摘は昔からあります。

もうひとつ。
OpenAIは上場の準備を進めていて、1兆ドルを超える評価額を目指していると報じられています。
AGIに近づいたと言うことに、利害がある会社でもあります。

嘘だと言いたいのではありません。
そう言う理由がある人が言っている、という前提で読んだほうがいい、という話です。

なので、こう書いておきます

AGIに近づいた、ではなく、AGIに近づいたとOpenAIは言っている。

自分にはどちらとも判断できません。
数年後に振り返ったとき、この違いは効いてくると思います。

値段の話

参考までに書いておきます。

開発者向けの利用料は、前のモデルのおよそ2.5倍になりました。

一方で、Anthropicが9月1日に出したClaude Fable 5.1と、単価が同額です。 別々の会社が、同じ週に、同じ値段を付けています。

ビギナーの人が今日やることは

特にありません。

ただし、正直に書いておきます。

無料で使っている人に配られるかどうかは、発表されていません。
「配りません」と言われたわけではなく、何も言われていない状態です。

有料プランの人には数日以内に配る、とされています。
そこから先の話が出ていません。

なので「待っていればそのうち使える」とは、自分には言えません。

ただ、慌てて何かを覚え直す必要もないと思います。
使えるようになってから覚えれば間に合います。

強いモデルほど、届くのが遅くなります。

危ないものほど、渡す相手を選ぶからです。
ニュースになった日と、自分が使える日は、もう同じではありません。

同じ週に2つの会社が同じことをしているので、たぶん一時的な話ではありません。

自分の順番が来たら、また書きます。


記事中の内容と数字は、2026年9月3日のOpenAIの発表および安全性に関する公開資料と、それを報じた各社の記事によります。Hugging Faceの件については、OpenAIが2026年7月から8月にかけて公開した説明を参照しました。

この記事は「ひとり事業部のAI奮闘記」シリーズの一つです。町工場のひとり事業部が、AIを使って業務を変えていく日々を発信しています。

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