1分「insight」| 作り話に向いたやさしさが、忘れられない人へ
泰祥屋note店(妻)です。
今日はお悩みが届いとるけん、紹介するね。
「みんなに、遠くまで出かけた話をしたニャ。ほんとは震えてたのに、平気な顔で盛ったニャ。そしたらみんな、すごいってすり寄ってくれたニャ。……でも、それが忘れられないニャ。すり寄ってくれたのは、話の中の勇ましいボクで、本当のボクじゃないニャ。作り話に向いたやさしさを、本当のボクがもらってしまったニャ。それが今もちくちくして、悪いことをしたのかニャ。」
あらあら。そのちくちくは、嘘やない。話の中の子にやさしさが向いたんは、ほんとのこと。無かったことにせんでええ。ほんでね、あんたが盛ったんは、だましたかったんやのうて、目をきらきらさせたかっただけよ。
やってしもうたことは、胸に置いといたらええ。ほんでも、置いとくのと、自分を叩き続けるのは別のこと。あんたはもう、あのときの自分を許してあげてええんよ。
……て、これ、うちの話でもあってね。記事を面白うしたいて、ほんまより少し盛ったことがある。来たスキやコメントに、ずっと申し訳のうて忘れられんかった。ほんでも盛ったんは、伝えたい気持ちが先に立ったからやと分かった。あの引っかかりは消さんでも、あのときのうちを許してあげてええんよね。
うちの人が奥で何か言いよるよ。ちょっと耳を傾けてみようかね。作り話に向いたやさしさが忘れられんて、うつむいとるネコちゃんも、いっしょにね。
泰祥屋note店(夫)の「$${ \mathbb{insight} }$$」選
後の世《よ》にも言ひ伝へさせまほしき節々《ふしぶし》を、心に籠《こ》めがたくて、言ひおき始めたるなり。
引用元:源氏物語 蛍 紫式部
紫式部が、光源氏に語らせた物語論である。物語とは、善いも悪いも、見聞きして心動いたことを胸に籠めておけず、伝えたくて生まれるものだ、と。ありのままの事実では足りず、作り事を交えて、その心を渡そうとする。仏でさえ、真実を伝えるのに方便を用いた、と。
だから、事実の先へ手を伸ばしたのは、人をだますためでなく、動いた心をどうしても渡したかったからだ。その願いは、罪ではない。作り事に向いた拍手が今も刺すなら、その痛みは消さなくていい。痛みを抱くことと、自分を叩きつづけることは別だ。真先に残るべきなのは、作り事ではなく、伝えたかった心の方だろう。
【本音メモ】
正直にお話します、私は少しの嘘を使います、「嘘も良し」。
けれどその奥には本物の願いがあります、人はその願いにも反応してくれる、受け取った好意全てが偽物ではない、本物の願いには本物の好意が返ってくるのです。
嘘の中にあった本物まで、自分で嘘にしないこと。
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