シーン30分練習(動作/空間/五感) ヤマトタケルと天邪鬼の出会い
別途記事にしたいですが。ここ数日、シーン描写30分練習をTALESで試しています。そのうち一本の転載です。
「天邪鬼!おぬしに聞きたいことがある」
タケルは高く澄んだ声で言った。
「なんじゃあ?そう言われると何も答えたくないものよな」
天邪鬼はイタズラ小娘がそのまま大人になったような表情だ。
「まずひとつ。おぬしは鬼一族でありながら、なぜ強さや厳かさを大切にせぬのだ?」
ヤマトタケルに問われて、天邪鬼は目を輝かせた。
「タケルさまの鬼のイメージってそうなんだ? なんの話で鬼を知ったの?『桃太郎』?」
二人の距離は、互いに間合いを詰めきらない。
タケルは、すこし考えてから答える。
「桃太郎は読んだぞ」
「ちゃんと『泣いた赤鬼』とか読んでないでしょう? わたいの周りの鬼たちは、泣き虫や仲間思いで一杯なんだぞ? ま、わたいはいい奴じゃないけどね」
いしししし、と天邪鬼は小馬鹿にしながら、目はタケルの反応を観察している。
「なるほど、ではふたつめ」
タケルが続ける。
「お前を育てた親兄弟たちは、どんな奴らだったのだ。私の親兄弟はろくでもなかったが、お前の所もそうだったのか?」
彼は非凡な戦士でありながら、心のひだを取り交わすように言葉を交わす。
「親兄弟? あっはっは!面白い!」
天邪鬼は変幻自在だ。
タケルは心を乱されないよう、丹田に意識を込めて身構えた。
「タケルさまは、人間に近いのかな? わたいら妖怪はどっちかというと、人間のネガティブ感情の澱から、ぽこんと湧いて出たものだよ。親も兄弟もいないというか、理解不能だよ。興味はあるけどね。親兄弟と絆を育むなんて頼まれても願い下げ。タケルさまもそれで良かったんじゃないの? そうでもない?」
すいません。始まりも終わりもありません。シーン練習なので。
筆が乗らない時のルーティン練習にできないかとTALES上で試してます。800文字以下で。
今回は、高橋留美子のイメージで書きました。「犬夜叉」とかではなく「うる星やつら」くらいの、古の気軽さで……
