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🌱 Ep3/c こころのいろ(幼児向)

~そらちゃんの こころの ものがたり~

1. そらちゃんの こころ

そらちゃんは、ひとりで いるのが すきでした。 おへやの すみっこで、そとを みている じかん。 くもが ゆっくり かたちを かえて いくのを みる じかん。

そんな しずかな じかんが、そらちゃんの たからものでした。

そらちゃんの こころは、やわらかな むらさきいろの ひかりに つつまれて いました。 でも、おとなの ひとたちには、それが みえません。

「そらちゃん、なにしてるの?」 おかあさんが しんぱいそうに きいてきました。

「なにも」 そらちゃんは、そっと こたえました。

でも、ほんとうは たくさんの ことを かんがえて いました。

2. ばくはつする きもち

「そらちゃん、おかたづけの じかんよ」 おかあさんが いいました。

でも、そらちゃんは ブロックで つくった ふしぎな かたちを、まだ みて いたかったのです。

「あと すこし」 「だめ。もう おかたづけの じかん」 「やだ」 「そらちゃん!」

そのとき、そらちゃんの こころの なかで、あかい いろが おおきく ばくはつしました。

「やだやだやだ!」

そらちゃんは、ブロックを ゆかに なげつけました。 カラカラと おとが して、おかあさんが びっくりした かおを しました。

そらちゃんの こころから、あおい しずくが ぽろり。

――わたし、だめな こなのかな。

3. おじいちゃんの ふしぎな め

つぎの にちようび、おじいちゃんが あそびに きました。

おじいちゃんは、そらちゃんが ブロックで つくった ふしぎな かたちを みて、しゃがみこみました。

「これ、なあに?」 「うーんとね、おしろだけど、ロケットで、おはななの」

おじいちゃんは、まじめに みつめました。

「すごいなあ。ひとつの もので、こんなに たくさんの いみが あるんだね」

そらちゃんの こころの なかで、むらさきいろの ひかりが ふわっと あかるく なりました。

あとで、そらちゃんは おじいちゃんに ききました。

「おじいちゃん、わたし、へんなの?」

おじいちゃんは、にっこりと わらいました。

「そらちゃんの こころの なかには、きれいな いろが たくさん あるんだね」 「え?」 「ほら、いまは むらさきいろの ひかりが みえるよ。しずかで、ふかくて、とても きれいな いろ」

そらちゃんは、びっくりしました。

「ときどき、あかい いろが くるくる まわるでしょう?それは、そらちゃんが いっしょうけんめい かんがえて いるって ことだよね」

「あおい しずくが おちる ときも あるね。それは、そらちゃんが とっても やさしいから、かなしく なるんだよね」

おじいちゃんの ことばを きいて いると、そらちゃんの こころに みどりいろの かぜが そっと ふきました。あんしんの いろでした。

4. いろで つたえよう

「そらちゃん、おかあさんに、じぶんの きもちを おしえて あげられる?」 おじいちゃんが ききました。

「どうやって?」 「そらちゃんの こころの いろを、ことばで いって みて。『いま、わたしの こころは むらさきいろ』とか『いまは あかい いろが くるくる してる』とか」

そらちゃんは、なるほどと おもいました。

そのひの ゆうがた、そらちゃんは おかあさんに いいました。

「おかあさん、いま、わたしの こころは むらさきいろなの」

おかあさんは、さいしょは きょとんと して いました。でも、だんだん わかって くれました。

「そうなのね。ひとりで いたい むらさきなのね」

そらちゃんの こころの みどりいろの かぜが、おおきく ひろがりました。

それから、そらちゃんは じぶんの きもちを いろで いうように なりました。

「いまは あかい いろが くるくる してる」と いうと、おかあさんは「そうね、すこし じかんを あげるから、きもちを おちつかせてね」と いって くれるように なりました。

「あおい しずくが おちそう」と いうと、おとうさんは「どうしたの?はなして ごらん」と、そっと だきしめて くれました。

5. みんな ちがって みんな きれい

あるひ、ようちえんで、そらちゃんは おともだちの たかしくんが ないて いるのを みました。

たかしくんの こころからも、あおい しずくが おちて いました。

「たかしくん、いま、あおい いろ?」 そらちゃんが きくと、たかしくんは びっくりしました。

「そう...なんか、かなしいの」 「わたしも よく あおい しずくが おちるよ。でも、だいじょうぶ。そのうち、また ちがう いろに なるから」

たかしくんの こころに、すこしだけ みどりいろの かぜが ふきました。

そらちゃんは きづきました。みんな、それぞれ ちがう いろを もって いるのです。そして、みんな きれいなのです。

そのひの かえりみち、そらちゃんは おかあさんに いいました。

「わたし、みんなと ちがうのが、きょうは うれしかった」 「どうして?」 「だって、わたしにしか みえない いろが あるから。わたしにしか できない ことが あるから」

おかあさんの こころでは きんいろの ひかりが、とても あかるく ひかりました。

「そうね。そらちゃんは、そらちゃんらしくて いいのよ」

そのよる、そらちゃんは じぶんだけの うたを つくりました。

♪わたしの こころには いろんな いろ ♪ ♪むらさきの しずかさ あかい くるくる ♪ ♪あおい しずくも みどりの かぜも ♪ ♪みんな わたしの たいせつな いろ ♪

おかあさんと おとうさんも、その うたを おぼえました。そして、かぞく みんなで うたうように なりました。

きょう、そらちゃんの こころは にじいろに かがやいて います。

むらさきいろの しずかさも、あかい くるくるも、あおい しずくも、みどりの かぜも、きいろい よろこびも、みんな たいせつな じぶんの いちぶです。

おじいちゃんは、そらちゃんを だきしめて いいました。

「そらちゃんが おしえて くれたおかげで、みんな こころの いろが みえるように なったね」 「うん。みんな、ちがう いろを もってるんだね」 「そう。せかいは、いろで あふれて いるんだよ」

そらちゃんは ほほえみました。

じぶんらしく いることは、けっして わるい ことでは ありませんでした。

みんなが もつ いろは、みんな ちがって、みんな きれいなのです。

おわり



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📚 この物語は、年齢に合わせて3つのバージョンをご用意しています
   対象       |  特徴            |表記
🌸【幼児向け】3〜5歳 | ひらがな中心・読み聞かせに最適 | Ep3/c
🌿【低学年向け】5〜9歳 | 小学校低学年の一人読みに   | Ep3/b
🌟【一般向け】9歳〜おとな | 深い感動をお届け     | Ep3/a

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