ジュワ焼きナスとみぞれ山椒うどん
夏のキッチンは、まるで静かな戦場です。できることなら火を使いたくないけれど、冷たい麺類ばかりでは、どこか物足りなさを感じてしまう。そんなとき五感を満たしてくれるのが、居酒屋で食べる「ジュワッとした揚げナス」です。
でも、夏に大量の油を180℃まで熱するなんて、考えるだけで気が遠くなります。
実は、フライパンひとつ、大さじ1杯半の油と少量の水蒸気を使うだけで、揚げずに近い食感に仕上げる方法があります。
材料(1〜2人分)
うどん:1玉(冷凍うどんがコシが強くおすすめ)
ナス:1本
大根:100g(約3cm分)
調味料
めんつゆ(3倍濃縮):50ml
冷水:100ml(めんつゆと合わせて希釈する)
サラダ油:大さじ1と1/2
水(蒸し焼き用):大さじ2
粉山椒:適量
作り方
油をコーティングする:ナスはヘタを落として縦半分に切り、斜めに細かい切れ目(隠し包丁)を入れて一口大に切る。ボウルに入れ、サラダ油(大さじ1と1/2)を回しかけて全体によく絡める
蒸し焼きにする:冷たいフライパンにナスを皮目を下にして並べ、水(大さじ2)を加えてすぐに蓋をし、中火にかける。約3分間、蒸気でナスの内部を加熱する
焼き色をつける:蓋を取り、残った水分を飛ばしながら、ナスの断面に焼き目がつくまで転がしながら焼く
つゆに浸して冷やす:熱々のナスを、あらかじめ冷やしておいた「めんつゆ+冷水」のボウルに直接放り込み、冷蔵庫で30分以上(一晩置くとさらに味がなじむ)冷やす
盛り付ける:茹でて冷水で締めたうどんの水気をしっかり切り、器に盛る。冷えたナスをのせ、軽く水気を絞った大根おろしを添え、仕上げに粉山椒を振る
完成のサイン
冷やしたナスを箸で持ち上げた際、出汁をたっぷり含んだずっしりとした重みを感じ、断面から今にもつゆが滴り落ちそうに潤っていれば、味がしっかりなじんだ合図です。
リカバリー
出汁の味が薄く、ぼやけてしまったとき:大根おろしの水分が出汁を薄めてしまうことがある。器の端からめんつゆの原液をティースプーン1杯分だけ直接うどんの隙間に回しかける。全体の輪郭が引き締まる。
失敗しないための3点
冷たいフライパンからスタートする:熱いフライパンに入れると、触れた部分だけ油が急に吸い上げられ、油の行き渡りにムラが出る。冷たい状態から徐々に温度を上げることで、少ない油でも全体にしっとり油がなじむ。
蒸し焼きの後は焦らず水分を飛ばす:水分が残ったまま強火にすると、焼き色がつく前に水分だけ飛んでしまう。
大根おろしは食べる直前におろす:時間が経つと風味やみずみずしさが落ちやすい。
山椒が苦手な場合は、柚子胡椒や刻んだすだちの皮でも同じように爽やかさが出せます。
ひんやりとしたうどんのコシを噛みしめる悦び。そこにとろけるようなナスの食感と、含んだ出汁が広がります。大根おろしが油っぽさをさっぱりとまとめ、山椒の余韻が爽やかに吹き抜けていきます。
