4コマ小説「ミルとバーニェ」|6月30日「夏越の祓」
輪っかくぐり
暑い日、林檎の木の下に猫が2匹。吊られたタイヤを見上げるミルと、いまにもジャンプしそうなバーニェ。
「乗れるかな」
バーニェの華奢な体躯は飛行機雲のように、一直線にタイヤへ向かっていく。しかし、勢いが良すぎたのと高さが足りなかったのとで、タイヤの穴をしゅるりと通って終わった。
「わっ……とと」
着地をするにもコロンコロンと数回転して、ミルククラウンのよう。
「残念だねバーニェ、上に乗っかれなくて」
ミルはお転婆な妹に、よくそう暑いなか動き回るものだと感心しながら声をかける。
「ミルもやりなよ」
「やだよ、暑いもの」
渋るミルだが、やだよと言いつつ助走をつけた。
数分後、タイヤをくぐる子猫が2匹。
暑さも忘れて、サーカスごっこ。
6月30日
6月30日は「夏越の祓」です。
茅の輪くぐりのニュースをご覧になった方もいらっしゃるのではないでしょうか。
穢れとともに暑さは祓ってくれないのか、とウンザリしそうなこの時期。
しかしこの暑さがなければ、神さまは次の季節に紅葉を塗れないのかもしれませんね。

普段は、近代の詩や短歌に関する記事などを書いています。
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