ホテルがない住宅街に建てた、14室のホテル ── Hotel Vintage 神楽坂
本記事でご紹介するのは、Hotel Vintageシリーズの第2弾「Hotel Vintage 神楽坂」です。
最初に手がけた Hotel Vintage 築地に続く一棟を、より条件の難しい土地で形にしたプロジェクトです。完成した施設そのものの紹介ではなく、ホテルには不向きにも見える住宅街で、企画と運営によってどう高収益のホテルを成立させたのか、そのプロセスを紐解いていきます。
プロジェクト概要
施設名:Hotel Vintage 神楽坂
所在地:東京都新宿区中里町
規模:新築ホテル・全14室
沿革:2018年 土地取得 → 2019年 建築 → 2020年9月 開業
7gardenの役割:ホテル企画・設計・デザイン、運営

Hotel Vintage 神楽坂
感性と知性の満ち溢れた街、神楽坂。
そんな創造的な街に広がるレトロモダンな隠れ家、Hotel Vintage。
そこには過去と未来が融合したような遊び心に溢れ、刺激的なインテリアデザインが広がります。
ご宿泊が快適であることはもちろんのこと、ご宿泊いただくお客様の感性にインスピレーションが湧いてくる、そんなホテルであることを目指しています。
東京都新宿区中里町30
https://vintagekagurazaka.seven-garden.com/
https://www.instagram.com/hotel_vintage_kagurazaka/
始まりは、築地を見たオーナー様からの再依頼
Hotel Vintage 神楽坂は、最初に手がけた Hotel Vintage 築地と同じオーナー様から、「Vintageシリーズを、神楽坂でも展開しないか」とご相談をいただいて生まれたホテルです。
最初のホテルでお見せした企画と運営の成果が、次の一棟の信頼につながった。私たちにとって、これ以上ない後押しでした。
住宅街のなかで、それでも神楽坂のブランドで売れる企画を
プロジェクトの場所は、「神楽坂」と聞いて多くの人が思い浮かべる石畳の通りからは少し離れた、静かな住宅街でした。
正直なことをお話しすると、ご相談をいただいた直後、私たちもすぐに「ここはいける」と直感できたわけではありませんでした。当時、周りはマンションや戸建ての住宅ばかりで、ホテルはもちろん、飲食店も多くはなかったからです。

それでも、少し歩けば神楽坂らしい街並みが広がり、評判のレストランや雰囲気の良いバーが集まっています。東京メトロ東西線「神楽坂駅」は新宿駅・東京駅へのアクセスもよく、海外からの旅行者にとっては十分な好立地でした。
加えて、当時の新宿区エリアは民泊系の宿泊施設が中心で、デザインの効いたライフスタイルホテルはほとんどありませんでした。「ここでなら勝機を見出せる」。私たちはそう考え、プランニングを進めました。
海外の旅行者が求めるホテルを企画する
神楽坂という街は海外でも評価が高く、特にフランスの方々の間では「飛行機に乗らなくても行けるフランス」と呼ばれるほど、愛着を持たれている場所です。

そうした海外のゲストが日本旅行で求めるのは、家族やグループでゆったり使える、広々とした客室です。Hotel Vintage 神楽坂は、1フロア1室・70㎡を超えるハンモックルームを含む全14室。どの部屋も、周辺のホテルより格段に広く、ゆとりのある設計にしました。

デザイン性と居心地の良さを併せ持つ客室は海外からの旅行者を中心に人気を得て、開業後は順調に稼働率を伸ばしていきました。
コロナ禍の打ち手を経て、1部屋あたり月100万円超のホテルへ
しかし2020年9月の開業は、新型コロナウイルスの影響を大きく受けるタイミングと重なりました。
私たちは、何もせずに終息を待つのではなく、「コロナ禍でも利用してもらえる企画はないか」と、次々に打ち手を繰り出していきました。長期滞在向けの「マンスリー・ウィークリープラン」、好きなアイドルやタレントを応援する「推し活プラン」、神楽坂の名店・洋菓子店とコラボした「アフタヌーンティープラン」。国内のマイクロツーリズム需要を、企画の力で取りにいったのです。

こうした逆境のなかでも打ち手を出し続けられるのは、私たちが企画だけでなく“運営そのものを担っている”からです。現場で起きていることを、その場で次の企画に変えられる。コロナ禍を乗り越えた先で、Hotel Vintage 神楽坂は稼働率85%以上、1部屋あたり月100万円を超える高収益のホテルになりました。
この第2弾が示した、再現性
Hotel Vintage 神楽坂が示したのは、築地での成功が「たまたまではなかった」ということでした。
最初の1棟・築地で確かめた「立地の条件を、企画力と集客力で価値に変える」という型を、より難しい住宅街という条件で、もう一度成立させる。一点モノでありながら、再現できる。
その手応えを確かにしたのが、この神楽坂でした。
その後、Vintageシリーズは目黒不動前へと広がり、福岡をはじめとする新たな開業に向けても動いています。いま私たちは「2030年に運営30棟、アセット規模1,000億円」を見据えた拡大フェーズにあり、住宅街の中に建てた14室は、その歩みを支える確かな一歩になりました。
採用情報
7gardenでは、「土地の可能性を見極め、企画力と運営力で価値に変える」挑戦を、ともに広げていく仲間を探しています。オンラインでのカジュアル面談も行っていますので、お気軽にご連絡ください。
