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ボールは一つ、外国籍は三人。B.PREMIER 26クラブのハンドラー・ウイング陣の影響力 そして日本人選手は成長出来るのか?


カルバー、スタンリー・ジョンソン、キヨンテ・ジョンソン、ニュービル、デイビス、マクダニエルズ、ランドルフ、ヌワバ――26クラブを並べると見えてくる、「外国籍3枠」の本当の使い方


外国籍選手は、大きければいい。

ずいぶん乱暴な話だが、日本のプロバスケットボールには長いこと、そんな分かりやすさがあった。

210cm。

115kg。

リバウンドを取る。

スクリーンをかける。

ゴール下を守る。

困ったら中へボールを入れる。

すると、だいたい何とかしてくれる。

外国籍枠は、冷蔵庫で言えば、一番下の大きな引き出しみたいなものだった。

白菜。

大根。

キャベツ。

大きいものを入れておく。

使い道は、わりと決まっていた。

ところがB.PREMIERでは、その引き出しに急にいろいろなものを入れ始めた。

ガード。

ウイング。

ポイントフォワード。

スイッチディフェンダー。

セカンダリーハンドラー。

外国籍選手は3人まで登録でき、B.PREMIERでは外国籍の出場がオンザコートフリーになる。

ここだけ読むと、

「外国籍が一人多く出られるようになりました」

で終わる。

でも、編成する人からすると、かなり違う。

1試合は40分。

外国籍が同時に2人までなら、制度上の外国籍出場時間の最大値は80選手分。

3人なら120選手分。

単純な理論値では50%増える。

もちろん外国籍3人が毎試合40分ずつ出るわけではない。

ただし、

外国籍ウイングを出すために外国籍センターを下げなければならない

という昔の交換条件は、かなり小さくなる。

センターを出す。

もう一人の外国籍ビッグを出す。

その横へ、外国籍ウイングも出す。

三人とも使える。

ここで「3人目」の意味が変わる。

そしてB.PREMIERには、サラリーキャップ制度も導入される。

つまり、

人数には限りがある。

お金にも限りがある。

するとクラブは考える。

一人で、

何個の仕事をしてくれるのか。

ここが、2026-27シーズンの外国籍を見る一番おもしろい入口になる。

まず26人を並べてみる

今回の分析対象は、次の26人である。

北海道|ゲイリー・クラーク|大型コネクター

仙台|ジャレット・カルバー|大型オンボールエース

秋田|マーク・スミス|パワーハンドラー

茨城|ヴィック・ロー|ミスマッチ型2-wayフォワード

宇都宮|トレイ・ケルⅢ|スコアリングハンドラー

群馬|スタンリー・ジョンソン|パワーウイング

A千葉|D.J.ニュービル|完成型ハンドラー

千葉J|ネイト・ウィリアムズ|NBA型セカンダリーウイング

A東京|キヨンテ・ジョンソン|マッチアップ破壊型パワーウイング

東京SR|ローリー・アルキンズ|パワードライバー

川崎|キース・ブラクストン|万能型ウイング

横浜BC|キャメロン・マクガスティ|3レベルクリエーター

富山|ブライアン・アンゴラ|FIBA型ウイングハンドラー

信州|ケボン・ハリス|フィジカルガードウイング

三遠|テレンス・デイビス|NBA型スコアリングガード

三河|アーロン・ホワイト|フロントコート投資型

名古屋D|アーロン・ヘンリー|2-wayセカンダリークリエーター

滋賀|ゼイビア・スニード|スケーラブル2-wayウイング

京都|デメトレ・リバース|大型Advantage Finisher

大阪|ジェイムズ・パルマー・ジュニア|欧州型エースクリエーター

神戸|ジェイレン・マクダニエルズ|206cm NBAウイング

島根|デクスター・デニス|Gリーグ型アスレチックガード

広島|ドウェイン・エバンス|ポイントフォワード

佐賀|ナシール・リトル|スイッチ型NBAウイング

長崎|リーヴァイ・ランドルフ|欧州型スケーラブルウイング

琉球|デイビッド・ヌワバ|ポゼッション破壊型ウイング

ここで、

「誰が一番すごいか」

を決めても仕方がない。

大事なのは、

クラブが、その選手を使って何をしなくてよくなるのか。

である。

外国籍選手を「6つの仕事」で見る

得点だけで外国籍を評価すると、B.PREMIERでは少し足りない。

そこで本稿では、六つの仕事に分けて考える。

これは公式指標ではない。

分析のための物差しである。

Creation

何も起きていないところから、最初のズレを作る。

ピック&ロール。

1対1。

ポスト。

ドライブ。

要するに、

「まだ誰も空いていません。では、あなたが何とかしてください」

という仕事である。

Advantage Extension

味方が作った小さなズレを、大きくする。

クローズアウトを攻める。

一度ペイントへ入る。

もう一人動かす。

0.5だった有利を1.0へする。

Off-ball Scalability

ボールを持たなくても価値が下がらない。

3P。

カット。

スクリーン。

リバウンド。

守備。

外国籍3人時代では、ここが急に重要になる。

Defensive Elasticity

守る相手を変えられる。

2番だけではない。

3番も。

4番も。

場合によっては1番も。

守備の仕事を伸び縮みさせられる能力である。

Possession Leverage

誰のものでもないボールを、自分たちのものにする。

リバウンド。

ルーズボール。

50対50。

トランジション。

一試合に二つしかなくても、その二つで勝負は変わる。

Matchup Distortion

相手のマッチアップ表を壊す。

大きすぎる。

強すぎる。

速すぎる。

「誰をつければいいのか分からない」

という状態を作る。

そして、この六つを一人でいくつ引き受けられるか。

これを、

Role Compression――役割圧縮

と考える。

一人で三つ仕事ができれば、

別の選手に三つ全部を求めなくていい。

サラリーキャップ時代には、これはそのままロスターの効率になる。

1 北海道――ゲイリー・クラーク

北海道がクラークから買っているのは、

得点王ではない。

自由である。

大きい。

でも外に置ける。

外国籍ビッグと一緒に出しても、攻撃を必要以上に狭くしない。

日本人ガードがボールを持っていても、仕事がなくならない。

これは大事だ。

外国籍3人を出せるからといって、

三人ともボールを欲しがったら困る。

クラークのような選手は、

「自分が主役でなくても外国籍級」

でいられる。

B.PREMIERでは、案外これがぜいたく品になる。

北海道が買ったもの。

Off-ball Scalabilityとラインナップの自由。

2 仙台――ジャレット・カルバー

カルバーは反対である。

仙台が買っているのは、

攻撃の入口そのもの。

198cmの選手が運ぶ。

スクリーンを呼ぶ。

小さい相手を見る。

大きい相手を見る。

その場で決める。

普通ならPGが最初の守備を動かし、外国籍へ渡す。

カルバーは、

自分で最初からやる。

ここで何が起きるか。

相手はカルバーを誰で守るか決めなければならない。

小さいガードなら身体で攻められる。

大きなフォワードなら外側から動かされる。

カルバーが得点する前に、

すでに相手の守備配置が変わる。

仙台が買ったもの。

CreationとMatchup Distortion。

3 秋田――マーク・スミス

秋田には、

守る。

走る。

身体を張る。

という分かりやすい性格がある。

問題は、

それでも守備が崩れなかった夜である。

残り8秒。

セットは終わった。

誰か一人で何とかしてください。

ここにスミスがいる。

秋田は外国籍枠で、

バスケットボールそのものを変えようとしているのではない。

困った8秒を買った。

これはずいぶん実用的である。

家に立派なキッチンがあっても、

缶切りがないと困る。

スミスは、そういう最後の道具になれる。

秋田が買ったもの。

Late-clock Creationとペイントへの力。

4 茨城――ヴィック・ロー

ヴィック・ローを見ると、

3番ですか。

4番ですか。

という質問が急に古く見える。

大きな相手がつけば、

外へ。

小さな相手がつけば、

中へ。

守備でもサイズを残せる。

つまりローの価値は、

自分のポジションではなく、

相手のポジションを困らせること

にある。

しかもカルバーのように毎回最初からボールを持つ必要がない。

日本人ガードが一人動かした。

ローへ渡る。

守備が慌てて閉じる。

そこで一度だけ攻める。

これで十分な夜もある。

茨城が買ったもの。

Matchup DistortionとAdvantage Extension。

5 宇都宮――トレイ・ケルⅢ

宇都宮には、

すでに料理人がいる。

だから厨房を全部ケルに渡す必要はない。

比江島慎もいる。

日本人ガードもいる。

ボールも人も動く。

そのうえで必要なのは、

レシピが通用しなかった最後の一皿である。

残り6秒。

全部止められた。

ここで一人でシュートまで持っていける。

これは強い。

優秀なシステムほど、

最後にはシステムでは解けない問題が残る。

宇都宮が買ったもの。

Bailout Creation。

非常口である。

普段は使わない。

でも、あるだけで安心する。

6 群馬――スタンリー・ジョンソン

この人は、

「ウイング」という言葉が少し困る。

身体はかなり大きい。

でも外にいる。

そして動く。

小さい相手には強すぎる。

大きい相手には速さが残る。

つまり、

大きくしても遅くならない。

これは現代バスケットボールで、みんなが欲しいものの一つである。

普通は、

サイズを取ればスピードを失う。

スピードを取ればサイズを失う。

ジョンソンは、その交換条件を少し壊す。

群馬が買ったもの。

Defensive ElasticityとMatchup Distortion。

得点以上に、

相手のラインナップを変えさせる選手になる可能性がある。

7 A千葉――D.J.ニュービル

ニュービルは、

説明するとかえって分かりにくい。

だいたいできるからである。

だから本当の価値は、

何ができるかではない。

今日は何をしないかを決められること

だと思う。

味方が乗っている。

渡す。

試合が速すぎる。

ゆっくりする。

相手が小さい。

行く。

最後の2分。

自分で持つ。

上手いハンドラーは、

ドリブルが多い人ではない。

試合の速度を決められる人である。

A千葉が買ったもの。

Control。

得点でもパスでもない。

試合そのものの温度管理である。

8 千葉J――ネイト・ウィリアムズ

千葉Jには、

すでにボールを持ちたい人がいる。

富樫勇樹。

渡邊雄太。

だからウィリアムズに必要なのは、

毎回主役になることではない。

むしろ、

主役の横で価値が消えないこと。

コーナーへ行く。

カットする。

一度だけドリブルする。

強い相手を守る。

セカンドサイドで攻める。

こういう選手を私は、

「減らしても使える選手」

と考える。

Usageを減らしても価値が残る。

強いチームほど大事である。

千葉Jが買ったもの。

Portability。

9 A東京――キヨンテ・ジョンソン

A東京は、ここが面白い。

キヨンテ・ジョンソンは193cm、104kgのSFとして加入する。

193cm。

B.PREMIERでは、驚くほど高くない。

でも104kg。

ここから話が変わる。

これは、

「大きなウイング」

というより、

ガード寄りの場所へフォワードの厚みを持ってくる選手

と考えたほうがいい。

相手の小さいガードをどこへ隠すか。

そこにジョンソンがいる。

少し困る。

では別の選手へ小さいガードを動かす。

今度は、そちらにミスマッチが出る。

ジョンソン本人がシュートを打たなくても、

相手の守備表が一枚ずつずれる。

A東京が買ったもの。

Matchup Distortion。

しかも日本人ガードからボールを全部奪わなくても成立する。

ここがカルバーとの大きな違いである。

仙台は外国籍へCreationを渡す。

A東京は、

日本人へCreationを残したまま、外国籍で外側の身体を大きくする。

これは日本人育成という意味でも、かなり興味深い設計である。

10 東京SR――ローリー・アルキンズ

アルキンズは、

きれいに料理しない。

まず身体をぶつける。

一人動かす。

ヘルプを呼ぶ。

そこから料理が始まる。

アシストを記録した人と、

アシストが生まれる原因を作った人は、

同じとは限らない。

アルキンズは後者になれる。

東京SRが買ったもの。

最初の衝突。

Creationと言ってもいい。

でももっと身体的である。

守備を考えさせる前に、

一度動かしてしまう。

11 川崎――キース・ブラクストン

ブラクストンは、

履歴書の一行で人を驚かせるタイプではない。

でもロスターを作る人には、ありがたい。

今日はボールを持ってください。

分かりました。

明日は持たなくていいです。

分かりました。

相手エースを守ってください。

分かりました。

少しポストへ行ってください。

分かりました。

こういう選手がいると、

HCは朝から胃薬を飲む回数が少し減る。

川崎が買ったもの。

Role Compressionそのもの。

一人で三つの穴を埋められる。

すると別の枠で、もっと尖った選手を取れる。

12 横浜BC――キャメロン・マクガスティ

マクガスティは、

「ズレができたので攻めてください」

ではない。

ズレがない。

だから、

あなたが作ってください。

こちらである。

この種類は高い。

守備が完全にセットしている。

時間もある。

相手の一番良いディフェンダーもいる。

それでも一度動かせる。

外国籍ウイングの中でも、

Creatorは特別である。

横浜BCが買ったもの。

Zero-to-One Creation。

0を1にする人。

1を2にする人とは、仕事が違う。

13 富山――ブライアン・アンゴラ

アンゴラは純PGではない。

だから面白い。

ウイングの身体で、

ハンドラーの仕事もする。

一人目を抜く。

ヘルプを見る。

自分で行く。

渡す。

また受ける。

これができると、

日本人PGは毎回すべてを作らなくてよくなる。

しかも完全に仕事を奪われるわけでもない。

富山が買ったもの。

Shared Creation。

一人の司令塔ではなく、

複数の選手で攻撃を始めるための部品である。

14 信州――ケボン・ハリス

ハリスも、

PGではない。

でもPGを助ける。

これが今のウイングである。

一回目のピック&ロールは日本人。

止められた。

ハリスへ渡す。

身体を使ってもう一度ペイントへ。

攻撃が再起動する。

つまり、

誰がPGか。

より、

誰が二回目を作れるか。

こちらのほうが重要になる。

信州が買ったもの。

Second-side Creation。

15 三遠――テレンス・デイビス

三遠を見ると、

外国籍ペリメーター市場が一段進んだことが分かる。

以前は、

外国籍ウイングを取るか。

取らないか。

だった。

今は、

どんな外国籍ウイングを取るか。

になっている。

ヌワバとデイビスでは、同じペリメーターでも仕事が違う。

身体。

守備。

ポゼッション。

を強く出すタイプ。

シュート。

オンボール。

得点創出。

へ寄せるタイプ。

三遠が買ったもの。

外国籍ペリメーターの機能変更。

このレベルまで来ると、

「元NBA」という一言では何も分からない。

16 三河――アーロン・ホワイト

三河は、流行の反対側にいる。

それも立派な戦略である。

みんなが外国籍ウイングへ投資している。

では、自分たちも。

とは限らない。

日本人側でハンドリングできる。

ウイングもいる。

なら外国籍枠をフロントコートへ戻す。

オンザコートフリーとは、

外国籍ウイングを取れという制度ではない。

選択肢を増やす制度

である。

三河が買ったもの。

フロントコートの確実性。

スーパーで全員がマグロ売り場へ走っているなら、

静かに肉売り場を見る人がいてもいい。

17 名古屋D――アーロン・ヘンリー

ヘンリーは、

「全部できます」

というより、

「困った仕事を少しずつ引き受けられます」

という感じがいい。

日本人PGがプレッシャーを受けた。

一度渡せる。

相手の大きいウイングが強い。

守らせられる。

ボールが来ない。

それでも仕事がある。

こういう外国籍は、

日本人の仕事を奪うというより、

日本人の仕事量を軽くする。

そこが大事である。

名古屋Dが買ったもの。

Decision Relief。

一人に全部を背負わせないための外国籍である。

18 滋賀――ゼイビア・スニード

外国籍3人が出る。

三人とも20本打ちたい。

それでは困る。

スニードのような選手が重要になる理由は、ここにある。

外国籍なのに、

ボールを持たない時間も働く。

これは、少し変な褒め言葉に聞こえる。

でも外国籍3人時代では最高の褒め言葉になり得る。

滋賀が買ったもの。

Scalability。

チームメートが強くなっても、

自分の価値が落ちにくい。

スター選手には意外と難しい能力である。

19 京都――デメトレ・リバース

203cm。

これだけでも守備は少し嫌になる。

ただし、リバースに毎回ゼロから作らせる必要はない。

日本人ガードが0.5作る。

リバースへ渡る。

一回だけ攻める。

1.0になる。

京都が買ったもの。

Advantage Finishing。

野球で言えば、

毎回ランナーなしからホームランを打つ人ではない。

二塁にランナーがいるときに、

きちんと返してくれる人。

強いチームには必要である。

20 大阪――ジェイムズ・パルマー・ジュニア

大阪は、

欧州で大きな攻撃役割を経験したタイプを置く。

ここで大切なのは、

20点取るかどうかだけではない。

一人抜く。

二人目が寄る。

そこから誰が楽になるか。

得点した本人より、

得点が簡単になった味方

を見る。

これがCreatorを評価する時のコツである。

大阪が買ったもの。

Creation Gravity。

本人の得点が、他人の簡単な得点を生む。

21 神戸――ジェイレン・マクダニエルズ

206cm。

でもセンターではない。

これだけで、

日本の普通のマッチアップ表が少し壊れる。

190cmの日本人ウイング。

日本では大きい。

相手を見る。

206cm。

急に、

「日本では」

という言葉が頼りなくなる。

マクダニエルズが神戸へ持ってくるものは、

点数だけではない。

基準の変更

である。

神戸が買ったもの。

Positional Size Distortion。

3番の普通を変える。

これは日本代表育成にも、そのままつながる問題である。

22 島根――デクスター・デニス

デニスの価値を見るなら、

平均得点より一歩目を見たい。

トランジション。

クローズアウト。

ボールプレッシャー。

リカバリー。

若く、運動能力の高いGリーグ型のペリメーターが入ると、

リーグ全体で使える時間が短くなる。

日本人ガードが、

今まで1秒考えられた。

今度は0.6秒。

そんな変化である。

島根が買ったもの。

Tempo Pressure。

速く走るという意味だけではない。

相手に速く決めさせる。

これもテンポである。

23 広島――ドウェイン・エバンス

新しい流行には、

だいたい前からやっていた人がいる。

エバンスは、その一人である。

外国籍4番。

でも、

得点して終わりではない。

受ける。

見る。

渡す。

スクリーンする。

ショートロールで判断する。

攻撃をつなぐ。

広島が買っているもの。

Connectivity。

コネクターという言葉は地味だ。

でも電車も、

乗り換え駅がなくなったら困る。

エバンスはそんな存在である。

24 佐賀――ナシール・リトル

佐賀の変化は、

外国籍選手一人ではなく、

外国籍の「職種」が変わったことにある。

外国籍PGへ大きくCreationを渡す形から、

大型ペリメーターを置く形へ。

すると日本人側にもボールが残る。

その代わり外国籍は、

サイズ。

守備。

リバウンド。

トランジション。

セカンダリークリエーション。

を担当する。

佐賀が買ったもの。

Defensive Size without surrendering domestic handling。

つまり、

日本人からハンドリングを全部取り上げずに、

外国籍で身体を大きくする。

これは日本代表まで考えると、かなり興味深い。

25 長崎――リーヴァイ・ランドルフ

ランドルフは、

スーパープレーの回数より、

余計なプレーの少なさを見たい。

ボールが来る。

見る。

行く。

行かない。

渡す。

終わり。

簡単そうである。

でも強いチームでは、

これができないスターが案外困る。

ボールを一度止める。

考える。

またドリブルする。

全員の足が止まる。

ランドルフは逆方向へ価値を出せる。

長崎が買ったもの。

Low-error Portability。

スターが増えるほど、

こういう人が欲しくなる。

ボールは一つしかないからである。

26 琉球――デイビッド・ヌワバ

ヌワバで見るべきは、

ボールを持っている時間だけではない。

むしろ、

誰のボールでもない時間。

リバウンド。

ルーズボール。

50対50。

トランジション。

そこへ強靱なウイングが飛び込む。

琉球には、

もともとそういう文化がある。

だからヌワバは、

琉球を別のチームにする補強ではない。

琉球を、もっと琉球にする補強

である。

これが一番怖い。

新しい料理を覚える必要がない。

いつもの料理に、

もっといい材料が入っただけである。

26クラブを見ると、「外国籍の種類」ではなく「何を買ったか」が見えてくる

26人を四つくらいの箱へ無理に入れるより、

クラブが何を買ったかを見るほうが分かりやすい。

最初のズレを買ったクラブ

カルバー。

ニュービル。

スミス。

マクガスティ。

ケル。

アンゴラ。

パルマー。

彼らはCreatorを買っている。

守備が並んでいる。

そこから最初の一人を動かす。

最も高価な仕事の一つである。

外側の身体を買ったクラブ

スタンリー・ジョンソン。

キヨンテ・ジョンソン。

アルキンズ。

ハリス。

デイビス。

マクダニエルズ。

デニス。

リトル。

ヌワバ。

面白いのは、全員同じ「サイズ」ではないことである。

206cmで大きくする。

193cm104kgで厚くする。

速さと強さを両立する。

方法が違う。

A東京のキヨンテ・ジョンソンは、その典型である。

高さを輸入したのではない。

ペリメーターの厚みを輸入した。

ボールを持たない価値を買ったクラブ

クラーク。

ヴィック・ロー。

ブラクストン。

ヘンリー。

スニード。

リバース。

エバンス。

ランドルフ。

外国籍3人時代になるほど、この集団は重要になる。

スターを三人並べれば強い。

とは限らない。

スターの隣へ置いても価値が残る人が必要になる。

流行と違う場所へ投資したクラブ

三河が象徴的である。

外国籍ウイングが増える。

なら外国籍ウイングを取る。

ではない。

自分たちの日本人側にCreationがあるなら、

外国籍を別の場所へ投資する。

これもオンザコートフリーが作る自由である。

「Role Compression」がサラリーキャップ時代の隠れた価値になる

例えばAという外国籍がいる。

平均25点。

すごい。

でもボールを大量に使う。

守備では一つしか守れない。

ボールがなければ価値が落ちる。

Bという外国籍は15点。

でも、

3P。

守備。

リバウンド。

セカンダリーハンドリング。

トランジション。

全部ある。

昔なら25点に目が行く。

B.PREMIERでは、

15点のBが強豪クラブにとって高価になる可能性がある。

なぜなら、

外国籍三人を同時に出せるからだ。

三人ともエースである必要はない。

そしてサラリーキャップがある。

一人で三つ仕事ができれば、

他の選手に同じ仕事を買わなくていい。

Role CompressionがRoster Efficiencyへ変わる。

Portability――スターが増えるほど価値が上がる選手

「役割の移植性」と考えると分かりやすい。

違うチームでも使える。

ボールが減っても使える。

スターの横でも使える。

セカンドユニットでも使える。

守る相手が変わっても使える。

ランドルフ。

スニード。

ブラクストン。

ヘンリー。

クラーク。

この種類の選手は、

30点取らなくてもいい。

良い選手が隣へ来るほど、

むしろ簡単な仕事が増える。

これがPortabilityである。

逆に、

ボールを大量に使わないと価値が出ない選手は、

スターを増やすほどお互いの価値を食い合うことがある。

ボールは一つ。

やはり、ここへ戻る。

B.PREMIERを一番変えるのは、実は守備かもしれない

外国籍ウイングが増える。

すると、

25点。

ダンク。

3P。

そちらを見たくなる。

でもリーグの質を最も変えるのは、

守備側かもしれない。

日本人PGがピック&ロールを使う。

従来なら、

外国籍センターを外へ出す。

よし。

スピードで勝負だ。

ところが今度は、

スイッチしてヌワバ。

次はスタンリー・ジョンソン。

次はリトル。

次はマクダニエルズ。

大きい。

でも外を守れる。

すると、

「大きい人を外へ出せば勝ち」

という算数が壊れる。

日本人ガードへ必要になるのは、

単純な速さではない。

減速。

再加速。

スネーク。

リジェクト。

スクリーンの角度利用。

ポケットパス。

フローター。

スキップパス。

つまり、

一人を抜く技術から、五人を操作する技術へ。

ここが日本人ガードにとってB.PREMIER最大の宿題になる。

日本人ウイングには、さらに厳しい

195cm。

95kg。

これまでなら、

「日本人としては大きい」

と言われた。

でも目の前には、

193cm104kg。

200cm級。

206cm。

しかも動く。

そのとき、

「日本人としては」

という言葉は、あまり助けてくれない。

守れるか。

シュートを決められるか。

身体を当てられてもプレーを続けられるか。

クローズアウトを攻められるか。

速く判断できるか。

比較対象が、

国内の平均から、

目の前の世界市場

へ変わる。

これは厳しい。

でも国際大会では、

最初からその世界である。


「Developmental Possessions」という考え方

これは公式スタッツではない。

将来的に見たい指標の考え方である。

20分出た。

でも20分ずっとコーナー。

10分しか出なかった。

でも、

P&Rを4回使った。

外国籍エースを8ポゼッション守った。

クローズアウトを3回攻めた。

クラッチタイムで一回判断した。

どちらが濃い経験なのか。

出場時間だけでは分からない。

だから、

若い日本人が成長につながる意思決定を、試合で何回経験したか。

これを追いたい。

オンザコートフリーが日本代表へプラスだったのか。

それを本当に検証するなら、

日本人Minutesだけでなく、

日本人のDecision Shareまで見なければいけない。

開幕したら本当に追いたい6つの数字

B.PREMIERの外国籍改革を検証するなら、次を見たい。

1つ目は、外国籍3人同時出場時間

2つ目は、その時間の日本人選手のUsage/オンボール比率

3つ目は、190cm以上の日本人ウイングが外国籍ウイングを守ったポゼッション数

4つ目は、日本人選手のクローズアウトアタック回数

5つ目は、クラッチタイムの日本人意思決定ポゼッション

6つ目は、外国籍三人がいるラインナップで日本人二人が、ただ立っているのか、それとも攻撃構造の一部なのか。

ここまで追うと、

「外国籍依存」

という古い言葉では見えなかったものが出てくる。

「外国籍依存か、日本人育成か」という二択そのものが古くなる

外国籍が多い。

だから悪い。

世界的な選手が来る。

だから良い。

どちらも簡単すぎる。

本当に聞くべきなのは、

外国籍が作った高い競争環境を、日本人の能力へ変換できたか。

こちらである。

外国籍が全部ボールを持つ。

日本人は立っている。

それなら代表にはつながりにくい。

外国籍が大きくなった。

その相手を日本人が守る。

日本人がそのスイッチを攻める。

外国籍三人と一緒に出ても、

「この日本人は必要です」

と言われる。

そこまで行けば、

オンザコートフリーは単なる規制緩和ではなくなる。

日本代表が国際試合で遭遇するサイズ、強度、判断速度に近い環境を、

毎週のリーグ戦へ持ち込む制度にもなり得る。

26クラブを並べて、一番変わったと思うこと

外国籍が豪華になった。

それでは半分しか説明できない。

NBA経験者が増えた。

それも半分。

外国籍ウイングが増えた。

それでもまだ足りない。

本当に変わったのは、

外国籍枠で何を買うか

である。

昔は、

足りない身長を買った。

これからは、

足りない機能を買う。

Creationがない。

カルバー。

ニュービル。

マクガスティ。

外側の身体が足りない。

スタンリー・ジョンソン。

キヨンテ・ジョンソン。

リトル。

マクダニエルズ。

ボールを止めない外国籍が欲しい。

ランドルフ。

スニード。

ブラクストン。

ヘンリー。

ポゼッションを増やしたい。

ヌワバ。

そして、

日本人にCreationを残したい。

三河のように外国籍の投資先を別へ振る方法もある。

答えが違う。

だから、

26クラブを見る価値がある。

外国籍は、もう「助っ人」ではない

「助っ人外国人」

という言葉がある。

便利である。

でもB.PREMIERでは、

少し意味がずれてくる。

助っ人というと、

日本人でチームを作る。

最後に足りないところへ外国籍を足す。

そんな感じがする。

今度は違う。

最初から外国籍三人が同時に出るところまで考えて、

設計図を書く。

誰が持つ。

誰が守る。

誰がコーナーへ行く。

誰がスクリーンする。

誰がリバウンドへ行く。

誰が最後に打つ。

外国籍は、

最後に追加する部品ではない。

構造そのもの

になっていく。

ボールは一つ、外国籍は三人

最後に、

やはりここへ戻る。

外国籍は三人出せる。

でも、

ボールは一つしかない。

だから、

一人で30点取れる選手だけを三人集めても、

必ずしも強くならない。

ボールを持てる。

でも持たなくても働く。

守れる。

でも守備だけではない。

大きい。

でも遅くない。

シュートを打てる。

でもシュートしかないわけではない。

そんな選手の価値が上がる。

カルバーには、

攻撃の入口という仕事がある。

ニュービルには、

試合を整える仕事がある。

スタンリー・ジョンソンには、

身体でマッチアップを壊す仕事がある。

キヨンテ・ジョンソンには、

193cmの場所へ104kgの厚みを置く仕事がある。

ランドルフには、

スター同士をつなぐ仕事がある。

ヌワバには、

誰のものでもないボールを奪う仕事がある。

同じ外国籍。

でも、

仕事は全然違う。

26クラブ。

26通り。

その違いを見れば、

各クラブが何を大切にしているのかが、

案外よく分かる。

2026-27シーズン。

外国籍選手を見るなら、

平均得点の列だけを見るのは、もう少しもったいない。

どこに立っているか。

誰と一緒に出ているか。

何を任されているか。

そして、

その選手がいることで、残り四人は何をしなくてよくなったのか。

そこまで見たい。

B.PREMIER元年。

外国籍枠の価値は、

「何人いるか」から、

「一人で何個の仕事を引き受けられるか」

へ変わり始めている。

そして、この変化を一番厳しく突きつけられるのは



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