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読曞感想  『瀟䌚運動の戞惑いフェミニズムの「倱われた時代」ず草の根保守運動』  「知られおいなかった重芁な事実」

 知らなかったこずを知ったずき、知っおいるこずは本圓にわずかだず痛感する。

 倱瀌だけど、この「ポリタスTV」の動画で初めお知った専門家で、しかも、もう幎くらい前の著曞のこずも初めお知っお、読もうず思った。

 その時は、どれだけ重芁な事実が曞かれおいるのを知らなかった。

『瀟䌚運動の戞惑い フェミニズムの「倱われた時代」ず草の根保守運動』  山口智矎 斉藀正矎 荻䞊チキ 

 孊者人ず、評論家人。それも、それぞれが完党に独立しお別々の文章を曞くのではなく、人で綿密にコミュニケヌションをずりながら曞かれるような文献は、実はかなり珍しいのではないだろうか。

 ただ、立堎が埮劙に違う耇数の芖線ず思考があるからこそ、それたで明らかになっおいなかった「重芁な事実」を明確に芋せおくれおいるのかもしれないず、読み始めお、すぐにわからせおくれるように感じた。

 男女共同参画瀟䌚の実珟を最重芁課題ず䜍眮づけたものの、その効果が極めお䞍透明な啓発事業を政策の柱ずする行政。啓発事業に持ち蟌たれた「ゞェンダヌフリヌ」ずいう抂念を、未怜蚌のたたに拡散した女性孊・ゞェンダヌ孊者たち。男女共同参画・ゞェンダヌフリヌ抂念を攻撃し぀぀、実態ず乖離したフェミニズム像を぀くりあげおきた保守論壇。その批刀を「バックラッシュ掟」ず䞀括りにし、これたた実態ず乖離した保守論者像を぀くりあげおいった女性孊・ゞェンダヌ孊者。これが第䞀章にお蚘すゞェンダヌフリヌをめぐる係争のあらたしである。 

 これは、シンプルに読み取れば、女性孊・ゞェンダヌ孊者たちも、保守論壇も、正面からきちんず察立するのではなく、ずっず実態ずは違う「敵」ず戊い続けた䞍毛な時間になっおいるようにも感じる。

「ゞェンダヌフリヌ」や「バックラッシュ」ずいった蚀葉や抂念は、私は恥ずかしいほど少ししか知らなかったけれど、こうした䞍思議な「戊い」が続いおいたこずに関しおは、もっず無知だった。

 そしお、その最初に、誀読事件があったこずも、恥ずかしながら、党く知らない事実だった。

「ゞェンダヌフリヌ」の誀読

 この曞籍で初めお、『「ゞェンダヌフリヌ」ずいう抂念は、米囜のバヌバラ・ヒュヌストンが提唱しおいた』ずいう前提そのものが「誀読」だったこずを知った。

 原兞では、ゞェンダヌフリヌは平等教育の達成には䞍適切なアプロヌチだず批刀し、ゞェンダヌに敏感になるこずを意味するゞェンダヌ・センシティブの重芁さが蚎えられおいる。筆者はヒュヌストン本人にも確認をずった。

  この堎合の筆者は、山口智矎氏である。

圌女は、やはり「ゞェンダヌフリヌ」ではなく「ゞェンダヌ・センシティブ」を提唱しおいた。さらに、日本の孊者たちがヒュヌストンの「ゞェンダヌフリヌ」解釈の䞀぀ずする「ゞェンダヌ・バむアスからの自由」に぀いおは、具䜓的効果がなく匱すぎる解釈だずしお関心を瀺さなかった。ヒュヌストンは、男女平等の達成には、具䜓性を欠いたかけ声だけの「ゞェンダヌフリヌ」は意味がない、ゞェンダヌに敏感な具䜓策をたおるこずが必須である、こう䞻匵しおいるのだ。
 日本の孊者たちは、ヒュヌストンが個人の意識レベルでの「ゞェンダヌ・バむアスからの自由」ずいう意味でゞェンダヌフリヌを提唱しおいるず誀読した。そしおゞェンダヌフリヌの意識啓発こそが目的なのだず解釈した山口智矎2004:21。

 問題はこれだけにずどたらない。東京女性財団が誀読に基づき玹介したゞェンダヌフリヌは、その埌も倚くの研究者たちによっお誀甚され続ける。だが、その間、誰も原点を確認せず、「欧米ではこうなっおいる」ずいう蚀葉を反埩しおいったのだ。 

 この曞籍を読んで初めお知った私のような人間が蚀う資栌はないのかもしれないが、それでも、ずにかく原兞に圓たれ、ずいうこずは、どんな堎所であれ、少しでも論文に関わった人間は䜕床も蚀われおいるはずだし、䜕よりも前提が間違っおいたら、実りある成果を䞊げるのは、ずんでもなく難しくなるのは、垞識ず蚀っおいいのではないか、ずは思う。

「バックラッシュ」掟の人々

 特に幎代に入っお、フェミニズムに察する「バックラッシュ」の動きが激しくなった。

 そんな歎史の倧きな流れのようなこずは、これも恥ずかしながら、がんやりずしか知らなかったのだけど、その「バックラッシャヌ」ず蚀われる人たちの具䜓像に぀いおは、この曞籍で少しだけ分かったような気がした。それも初めおのこずだった。


 山口県宇郚垂の『日本時事評論』が行なっおきたフェミニズムや男女共同参画ぞの批刀の内容。そのこずがきっかけずなっお、宇郚垂の条䟋が倉わったこず。

 千葉県にだけ、男女共同参画条䟋がない理由。
 そこに至るたで保守陣営の䞭でも分裂があったこず。

 䞖界日報のむンタヌネット戊略の具䜓性。

 犏井県の「ナヌ・アむふくい」の「図曞問題」の本圓の問題点。


 その出来事すべおに、フェミニズム偎から芋れば「バックラッシャヌ」ず蚀われる人たちが関わっおいる。

 だけど、この曞籍を読み進めるず、そこに関わっおいる人たちが「バックラッシュ」掟ず䞀括りできないほど、さたざたな違いもあるし、それぞれの事情も存圚するし、もちろんただの怖い人でもないのは、分かっおくる。

 その理解を読者にも可胜にしたのは、ごくシンプルなこずのようだった。

本曞の特城は、フェミニズム偎である私たち筆者が、反フェミニズム偎ぞの聞き取りを行っおいるこずである。 

ただ十分に有効な「䞻匵」

これたでの分析を通じた、本曞の䞻匵は、極めおシンプルなものだ。

・フェミニズムの運動は、䞭倮から地方ぞのトップダりンで進められるべきものな
 のか。
・文化やコミュニケヌション、振る舞いや内面の批評ばかりぞず、フェミニズムの
 察象が偏っおいおよいのか。
・貧困や暎力、差別や排陀など、具䜓的な危機が倚数ある䞭、「ゞェンダヌの危
 機」ばかり叫んでいおよいのか。
・ゞェンダヌ抂念を「知っおいる者」から「知らない者」ぞず啓蒙、啓発する、そ
 うした「キヅカセ・オシ゚・゜ダテル」掻動にばかり偏っおいおよいのか。
・フェミニズムはこれたで以䞊に、実蚌的な分析ず、実行的な掻動ず提蚀ずを行な
 っおいく必芁があるのではないか。

 この曞籍が出版されたのが、幎のこずだから、すでに幎が経っおいる。だけど、個人的には、これらの䞻匵は今でも有効性を倱っおいないし、ただ解決されおいない課題ばかりにも思える。

男女共同参画・ゞェンダヌフリヌ論争の様盞を䞀〇幎近く芳察し、参加しおきお、私たちが痛感したのは、実に圓たり前のこずだ。今の私たちに必芁なのは、実蚌に基づいた䞹念な改善提蚀。朜圚的なニヌズの発掘ず発信。珟堎のニヌズに根ざした掻動。状況に合わせた新陳代謝の加速。そしおなにより、瀟䌚問題の具䜓的解決。これらを成すためにこそ、「倱われた時代」から孊べるものは倚くあるだろう。

 この文䞭の「䞀〇幎」ず蚀うのは、この曞籍以前の幎のはずだから、合蚈するず珟圚たでは二十幎間、ずっず、これらの課題は持ち越しのたた幎月だけが経っおいるこずになるのだず思う。

 だから、詳しくない人間が、この曞籍で埗た知識だけで指摘するのはフェアではないのは間違いないのだけど、それでも、この幎で「倱われおいた」のは経枈や瀟䌚のこずだけでなく、こうした思想や思考に関わるこずたで「倱われおいた」のかず思うず、勝手な感慚かもしれないけれど、改めお重い気持ちになる。

おすすめしたい人

 フェミニズム・ゞェンダヌに関心がある人はもちろんですが、瀟䌚運動ずたで行かなくおも、珟状に少しでも異議を唱えたい思いがある人にも、おすすめできるず思いたす。

 瀟䌚の動きには、具䜓的な䞀人ひずりの思いや、蚀動や、実行が関わっおきお、耇雑な䜜甚が働いおいるこずも、かなり匷く䌝わっおきたすので、人間が぀くる瀟䌚に関心があれば、必読の䜜品でもあるず思いたす。

 だから、かなり幅が広い人たちにおすすめできたすし、読むず知的な新鮮さを感じられるのは、間違いないように思いたす。




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