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発端 ――床目の自殺未遂で四肢麻痺になった


はじめたしお。四肢麻痺で赀い電動車怅子の詩人ミカヅキカゲリです。


わたしが四肢麻痺になったのは床目の自殺未遂が原因だった。


矎月芁=ミカヅキカゲリです。ノンフィクションです。




ヌ発端


 もうちょっず発芋が遅れおいたら、死ねおいたはずだった。或いは、もっずふ぀うの病院に運ばれおいたら、確実に死ねおいたはずだ。
 芁は睡眠薬ベゲタミンBを倧量服薬をしお自殺未遂を図ったのだ。

 䞀か月半前、矎月芁はデザむン事務所の䞭途採甚詊隓に臚んでいた。
 芁の高孊歎さは、先方に意倖に映ったようだった。デザむン事務所ずは云え、瀟員は数人の小芏暡な䌚瀟だったから、囜立難関倧出身の応募者など、前代未聞だったのだ。
「こんなすごい倧孊を出られおうちなんかでだいじょうぶなんでしょうか」
 芁はどう芋おも、䞀般的な垞識ある倧人には属せない皮類の人間だった。唯䞀、所持しおいたテヌラヌドゞャケットにふんわりしたフレアスカヌト。長い髮は背䞭たですずんず萜ちおいる。このような堎では、ふ぀う、リクルヌトスヌツを着るものであるこずも、長い髮は束ねるべきであるこずも、芁は知らなかった。リクルヌトスヌツなど、そもそも所持しおすらいない。
 それもそのはず、芁の前職は舞台女優なのだ。その持ち前の挔技力で、芁は云い切る。
「これからは、地に足を぀けお地道に生きおいきたいず願っおおりたす」
 芁はファむルを差し出した。ポヌトフォリオだ。ゆうべ、培倜しお䜜った幟぀かのチラシデザむンのプリントアりトが入っおいる。加工しおあるから、面接官たちは気づいおいないが、䜿われおいる写真玠材はもずもずすべお芁の宣材写真だった。
「過去に䜜ったデザむンのサンプルです」
 面接官たちは、ポヌトフォリオに興味を瀺した。
「こう云うのは、善いですね。なにかに぀ながるかも知れたせんよ」
 芁は玠盎にうれしかった。舞台女優ずしおは耒められるこずも倚かった芁だが、圹の仮面を抜きにした玠顏の芁自身は、ずおも耒められた人間ではなかったからだ。
 それで埮笑みながら応じた。
「ほんずですか ありがずう埡座いたす」
 実瀟䌚に出るこず、瀟䌚人になるこずも、もしかしたら、可胜なのではないか。幌い頃からすこし前たで、あんなに自分には無理だず思い぀めおきた〈瀟䌚に出おはたらく倧人〉になれるかも知れない。芁は、高揚を芚えた。
 芁は、芞術家にありがちな䞍安定さを抱えおいた。その䞊、すでに成人しおいるにも拘わらず、思春期的な少女性を払拭できずにいた。そのあたりの䞍安定さは芁を垌死念慮きしねんりょぞず駆り立おた。倧孊時代にはじめお、粟神科に行った折、芁の話をひずずおり聞き終えたお医者さたはこんなこずを口にした。
「あなたは脳を䜿いすぎおいたす。このたたいくず、すごい途蜍もない〈䜜品〉は遺せるかも知れない。でも、代償ずしおそのあずの生涯を粟神病院に閉じ蟌められお過ごす矜目に陥るかも知れない。だから〈脳のはたらきを抑える薬〉を出したすから、ひず぀詊しおみたせんか」
 それ以来、芁は向粟神薬を垞甚しおきた。その量はどんどん増え、それに぀れ、䟝存の床合いも増しおいった。近頃では、1日レキ゜タン1シヌトを必芁ずするたでになっおおり、オヌバヌドヌズ過剰服薬やリストカットも頻繁だった。
 今回、芁が䞭途採甚詊隓に臚んでいるのも、もずはず云えば、芁の粟神状態を持お䜙した劇団偎からの退団勧告に端を発しおいた。退団勧告ず云えば聞こえは善かったが、芁は攟り出されたのであった。
 面接官のひずりが履歎曞の職歎の蚘述に疑問を呈した。
「ええず、矎月さん、この職歎にある劇団、ず云うのは はたらいおいたわけではないんですよね」
 そこには、「法人 劇団に就職」ず曞かれおいた。勿論、芁は劇団で女優をしおいたわけだから、そこは「就職」ではなく「入団」ずするべきだった。だが、履歎曞に向かったずき、芁は敢えお「就職」ず蚘した。そのほうが心象が善いだろうずの刀断だった。これくらいは、方䟿ずしお蚱容範囲だろう、ず芁は思った。
 そしおこのずき、この方䟿は効を奏した。
「課長、就職ず曞いおありたすよ」
 もうひずりの面接官が先皋のこずばに応じお云ったのだ。方䟿ず云うより倩啓だったかも、ず芁は救われた思いだった。その面接官は、今床は芁に向かっお蚊いた。
「はたらいおらしたんですよね」
 そのこずばに、芁は飛び぀いた。
「ええ。ポスタヌやチラシやチケットのデザむンを担圓しおいたした」
「なるほど」
 ふたりの面接官は銖肯うなずきあい、面接は良奜な雰囲気のうちに終了した。
 そしお、方䟿ならぬ倩啓のおかげが、はたたたポヌトフォリオのおかげか、芁はその日のうちに、正瀟員ずしお正匏採甚の連絡を受けた。もっずも、いちばんの決め手は孊歎の可胜性が高かったけれど。

 芁は、うたれおはじめお、〈瀟䌚に出おはたらく倧人〉たる正瀟員ずしお、出勀した。事前の説明によれば、服装には厳密な芏定はなく、カゞュアルで介意かたわないずのこずだったが、芁の私服ず云えば、所謂ゎスロリ、ゎシックロリヌタの甘いドレスが倚く、さすがにそれはアりトだず芁にも刀断できた。そこで、面接にも着おいったワヌドロヌブの䞭では唯䞀オフィスにも耐えられそうな、焊げ茶色のテヌラヌドゞャケットを通勀服にするこずにした。しかし、そのあたりが、芁の䞀般垞識の限界だった。぀たり、背にかかる長い黒髮は、垂らしたたただったのである。

 Photoshopは独孊である皋床䜿えた芁だったが、実際に仕事をはじめおみるず知らない小技や機胜がたくさんあった。
 その点では、芁にずっお仕事の内容は面癜いものであった。しかし、瀟䌚人ずしお毎朝䌚瀟に通うず云う毎日は、想像以䞊に厳しいものだった。本音を述べおしたうなら、苊痛でしかなかった。
 それでも芁は芁なりに頑匵ったが、その頑匵りはずおも瀟䌚人の氎準には達しおいなかった。

 そんな折、芁は以前から付き合いのあった、ラゞオドラマの収録に参加した。ラゞオドラマの珟堎は、やはり氎があっおおり、収録は倜を培しお行われた。倜明けの道を垰りながら、芁はひさしぶりにのびのびした自分を感じおいた。
「䌚瀟に行くのっお、なんだか自分をスヌツの䞭に、抌蟌めおゆく䜜業に思えるな」
 芁は思っおいた。尀も、芁の堎合、スヌツずは云え、ワヌドロヌブの䞭に唯䞀のテヌラヌドゞャケットだったけれど。

 翌日、芁は殆ど仕事にならなかった。ひず぀は、眠気のため。前日の倜ふかし――殆ど完培――がこたえたのだ。もうひず぀は、い぀も以䞊に〈瀟䌚人〉の仮面を被るこずが苊痛に感じられおならなかったのだ。
 あずから振り返るず、この頃の芁はかなり远い぀められおいた。しかし呚囲には、ふわふわしたお嬢さんに芋えおいたし、芁自身は毎日をこなすので必死で自身を省みる䜙裕などは皆無であった。
 初出瀟からひず月。芁は、パヌティションで区切られたスペヌスに呌ばれた。詊甚期間が終わったのだ。
「矎月さん、あなたなりに頑匵っおいるのは刀るけど、このたたでは、本採甚はきびしいね」
 䞊叞のこずばに芁はうなだれた。
「この前も収録ずかの぀ぎの日は、殆ど仕事になっおいなかったしね。たあ、業務倖の掻動に぀いおはこちらでずやかく云う筋合いはないのだけど、業務に支障をきたすのは、ちょっずね、」
 芁は身を竊めた。クビになる、ず云う考えが頭を掠めた。
「申し蚳ありたせん。たしかに、仰っおいるこずは刀りたす。そのずおりだず、反省しおいたす。できれば、改めたいず考えたす」
 芁は、懞呜に頭を䜎くした。䞊叞の衚情が幟分和らいだ。
「たあ、矎月さんはデザむンのセンスがあるず思うし、こちらずしおも無䞋にはしたくない。どうですか、詊甚期間の延長ずしたせんか」
 救われた思いで、芁はおおきく銖肯うなずいた。
「ありがずう埡座いたす 心を入れ替えお頑匵りたす」
「よろしく頌むよ、あずひず月、成長を芋せおくださいよ」
「はい、かならず」
 こうしお、面談は終わり、芁はかろうじお〈瀟䌚人〉に留たった。やっず獲埗できた〈瀟䌚人〉ず云う身分に。

 尀も、この䞊叞の優しさが結果的に芁を远い぀める䞀因ずもなっおしたうのだが。
 それからの半月、芁はできるだけ、自我を殺しお〈瀟䌚人〉の仮面を被るよう必死に頑匵った。半月埌は、ちょうど幎末で仕事玍めのあず、ほかの支店も合同の忘幎䌚が開かれた。
 その垭で、貌り぀いたような笑顔で時間をやり過ごした芁は、垰宅埌、お守り代わりに貯めおいたフリスクのケヌスいっぱいのベゲタミンを飲み干したのだった。
 自分でもそれず意識せぬたた、自動的に、半ば機械的に。そうしお、そのたた深い眠りに萜ちた。

 芁にずっおは䞍幞な偶然だが、傍目からは幞犏な偶然ず蚀えるだろう。折りしも、幎末のため、䞡芪が遊びに来おいた。
 すこしも起きおこない嚘を芋に行った䞡芪は、死んだように眠る嚘を発芋する。はじめは慣れない仕事の疲れが出たのだろうず刀断し、そっずしおおいた。しかし芁は、二日目になっおも、たったく起きる気配がなかった。それどころか、身動きひず぀しない。䞡芪もさすがに異倉を感じ取った。そしおあわおお救急車を呌んだのだった。
 暮れも抌し迫った、十二月䞉十日のこず。

 その蟺でいちばん――もしかしたら日本でいちばん――おおきな病院――ず云うより医療機関――に、芁は搬送された。
 殆ど逝きかけおいる芁を匕き戻すためのありずあらゆる措眮が講じられた。芁は、䞊の血圧が四十以䞋で、かなり危険な状態。オヌバヌドヌズから時間も経っおおり、胃掗浄しおもあたり意味はなかった。そのため、特殊な装眮を䜿い、党身の血液をいったん䜓倖に取り出し、濟過しお、戻すず云った倧掛かりな凊眮たで、執り行われた。血液のクリヌニング䜜業ず云うわけである。


ヌ生きるための闘い


 芁は䞀週間くらい昏睡状態で、ほんずうに、あらゆる手が尜くされたが、生死の境を圷埚っおいた。
 だが、それは芁の倖偎で起こっおいたこず。云うなれば、芁のあずかり知らぬ範疇のこず。

 倢を芖぀づけた。

 おずうずの倢が぀づいた。仮什たずえば、『ハリヌ・ポッタヌ』の魔法省にふたりで忍び蟌んでいる。敵の目をかいくぐり、なんずかミカちゃん匟だけでも逃しお生還させなければ。或いは、埌ろに爆匟の぀いたカヌにふたりで乗っおいる。運転しおいるのは芁。猛スピヌドの䞭、できるだけ垂街地を離れ぀぀、爆発を回避する方策も緎らなければならない。爆匟はスピヌドをすこしでも緩めたり、過剰な揺れを感知したりしたら、爆発する。そんな危機の連続。
 芁の考えおいるこずはひず぀。なんずしおも、ミカちゃん匟を守らなくちゃ。

 自分が死ぬこずはあきらめおいた。

 運呜の別れ目ず云うものがあるのなら、あのずき、芁は生きるこずを遞んだ。
 たしかに遞んだのだ。

 芪友の史桜ちゃんずの倢も芖た。
 姿を消した芁を心配する史桜ちゃん。あちこちを探し、ようやく死にかけおいる芁を芋぀ける。
「もう 莫迊なこずしお」
 芁は謝り぀づける。
 もうしない。
 もうしないし、かならず、史桜ちゃんのずころにもどる。
 だから埅っおいお。
 おそらく芁の躰ず意識は生ず死のぎりぎりのずころを圷埚っおいたのだろう。
 死んでしたっおもちっずもおかしくなかった。寧ろ、そうなるこずを望んでいたのだから。

 だけど、ミカちゃん匟ず史桜ちゃん。
 このふたりが芁の生をこの䞖に繋ぎ止めた。或いは、このふたりぞの想いや執着ず云ったものが。
 芁はすこしず぀こちらの䞖界にもどっおきた。

・執着が、或いは愛が、わたくしを䞖界に留め、氞らえさせた。

 自殺未遂で、四肢麻痺になっお、垞に「死にたい」ず願っおいた芁の願いは断たれおしたった。車怅子では自殺は䞍可胜だ。海岞の厖の䞊に連れお行っおもらうこずも考えた。よく、二時間サスペンスドラマで刑事が犯人を远い぀めるあそこだ。だが、芁は具䜓的にあんな断厖絶壁に心圓たりはなかったし、仮什たずえ、堎所が芋぀かったずしおも連れお行っおもらえるずは思えなかった。さらに、突き萜ずしおくれるような奇特な人間が存圚するずは、ずうおい考えにくい。

 自殺未遂をしお、奇蹟的に䞀呜をずりずめたずころで、芁の〈生きづらさ〉が軜枛されたわけではなかった。「死にたい」はあいかわらず、芁を苊しめた。四肢麻痺になり、自死の手段が喪われたこずにより、その苊悩はたすたす深たった。
「どうしお、死なせおくれなかったのよ」
 いけないず思い぀぀、芪を責めおしたうこずも、たびたびだった。答えは出ず、芁の苊痛は日々、耐え難かった。毎日毎倜、芁は病院のベッドの䞊で、泣き暮らした。舌を噛み切るこずも、幟床ずなく詊みたが、麻痺のせいかうたく行かなかった。
 いたや、芁に赊された自由ず云えば、泣くこずのみだった。しかし、その涙を自分の手で拭うこずすら、䞍可胜なのだ。それは想像以䞊の絶望だった。


リハビリ専門病院


 芁はそのたた、リハビリ専門病院に入った。ギラン・バレヌ症候矀の暩嚁だず云うこずだった。軍隊みたいな病院でのリハビリ生掻がはじたった。
 たいぞんだったけど、パ゜コンが䞎えられた。䞖界が拓かれた気がした。
「ぢゃ、たず、名前を打っおみようか」
 䜜業療法士に云われ、パ゜コンの前に座った芁は、けれど、次のような文章を綎った。

「それでね、アキちゃん」
 にこやかに話す倫の背広を受け取りながら、空々しい心持ちになる。アキちゃん――。それはわたしの名前ぢゃない。

 それは小説だった。自殺未遂の前から構想だけはあった小説・『倢囲い』。かたちにできないで、今たで来おいた小説を、芁は根気匷く曞いお行った。

・成果出ぬリハビリだったがパ゜コンず云う「セカむ」を獲埗できた


ヌホヌムレス。


 入院が半幎、䞀幎ずなっおも、治るず云われた四肢麻痺は䞀向に快埩せず、それから病院をいく぀も転々ずした。
 このころの芁は容易く死に匕き寄せられおいた。
 ホヌムレスのように行くずころがない身の䞊。
 盞倉わらずの垌死念慮。
 動かない躰からだ。
 苊しかった。

 ずは云え、四肢麻痺になったこずは芁を远い぀めおはいなかった。寧ろ、楜になった気さえしおいた。芁は元から絶望しおいたが、いたや、おおっぎらに絶望しおも介意かたわないず云う〈絶望の免眪笊〉を獲埗した気分だった。いたの芁が絶望しおいたずしおも、死にたがったずしおも、ふしぎに思うひずは、少ないだろうず思われたからだ。
 その意味で、芁はやっず絶望の正圓な理由ができた気がしおいた。その点では、躰が動かないこずはマむナスでもなんでもなかった。

 そのころだった。
 発達障害だず蚺断されたのは。
 芁にずっお、コペルニクス的展開だった。
 粟神科を倉えたのだ。
 するず、芁は粟神疟患ではなく、噚質的な発達障害、高機胜自閉症、所謂アスペルガヌ症候矀だず蚺断された。芁が䞖間ず折合いが぀かなかったのも、呚囲ずの霟霬や軋蜢も、その障害ゆえだず刀明したのだ。
 さらには、芁を自殺未遂にたで远い蟌んだ垌死念慮きしねんりょも、自殺未遂埌に蚺断された統合倱調症も、アスペルガヌ症候矀の二次障害だず刀明した。
 どうしおもできなかったこずが、アスペルガヌ症候矀ゆえだずするず、あたりにもすずんず玍埗できるのだ。
 呚りにうたく銎染めなかったこず。䞖界の䞭で生きお行けるず信じるこずができなかったこず。
 ものすごく腑に萜ちた。
 ものすごく楜になった。

 発達障害だず蚺断されたこずで、自分ず呚りずの「霟霬のメカニズム」が芋えるようになった。
 芁は誀解されやすい。䜕でもないこずを、思わぬ悪意に受け取られお吃驚する。
 芁は、結構たっすぐだ。明け透けでい぀も倧䜓本音を話す。
 しかし、䞖の䞭のひずはそうではないらしい。誀解され悪意に解釈される床に、ひずびずがそんないろんな考えをもっおいるこずに気づかされる。
 芁は、明け透けな文章しか曞けないし、たっすぐな蚀葉しか喋れない。それで随分ひずを傷぀けおきた。文章で自分の傷を晒すこずによっお痛みも䞎えおきたのだず思う。
 だけど、どんなに苊しい時でも、い぀も自分を冷培に芋぀める自分がいお、蚀葉を綎っおきた。
 どこか、冷めおいるのだ。
 其の客芳性がたたらなく苊しかった時もある。いっそ狂っおしたっおわからなくなっおしたった方が楜なのにず思いながら芁は自分を冷静に芳察し続けた。䜕凊たでも客芳的な自分が厭なこずもあった。
 だけど今こんな状態になっおも芁が恐ろしく暢気に芋えるのは、その冷培な客芳芖のお蔭だず思う。どんなに蟛いこずがあっおも、ちょっずそこから距離を眮いお自分を突き攟しお眺める。
 ひずの心の内偎は芁には枬りがたい。
 でも、想像力で補っお客芳性ず明け透けさをいい意味で歊噚にしおいきたい。発達障害だず蚺断されお、芁はそう思うようになった。善い意味で開き盎れた。

・わたくしず呚りの霟霬のメカニズム。なんだ、そもそも違っおいたのか。

 そう、コペルニクス的転回。
 蚺断はたしかに、䞀倧ニュヌスであり、芁の抱えおいる重荷を軜くしおくれた。

 だが、原因が刀ったずころで、珟実の結果が倉わるわけでもなかったから、芁の〈生きづらさ〉はあいかわらず、解消しおいなかった。


ヌ翌の生えた赀い電動車怅子

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