ランチ観測記録①:同期する昼食
焼き目のついた存在
最近、美味しいランチのできる店を見つけた。
平日はほぼ毎日通っている。
今日もポークが美味しそうだった。
店員さんが言う。
「この前もおいでになりましたよね。病院通いですか?」
ショック。
お茶の水駅付近。病院は多い。
寒かったから上下ユニクロ。
裏ボアパンツにセーター、ダウンベスト。
歩き方がゆっくりだった?
いや、やっぱり年齢のせい?
他人の一言で、脳は勝手に物語をつくる。
けれど目の前には、焼き目のついた豚肉がある。
中心はほんのりピンク。火は入りすぎていない。
水分を保ったまま、必要なだけ熱を受けている。
焦げていない。
生でもない。
ちょうどよく制御された熱。
これは、おいしい。

厚切りポークは過加熱していない。
タンパク質が水分を保持している状態だ。
ミオシンが収縮しきる前で止めてある。
だからジューシー。
大根おろし入りのソースで脂がさっぱりする。
サラダは切りたてで、葉がシャキッとしている。
乳化したドレッシングが満足感を底上げする。
ポテトと白米。
糖質もしっかり。グリコーゲン補給完了。
「前も来てたね」と覚えてくれている。
ほっこりしよう。
私はここで、輪郭を持ちはじめている。
言葉で規定されるのではない。
どう解釈するかで世界は変わる。
焼き目は傷ではない。
熱をくぐった証だ。
何か私に話しかけてくれたのだと思うことにする。
明日もランチが楽しみだ。
日替わり定食で、このボリューム。



明日も行くからなぁ!
※この作品は「ランチ観測記録」シリーズです
