よるのあるあるからくるある1つの結論
人は寝なければならない。翌日のパフォーマンスを最適化するため、心身の状態を正常に保つため、回復機能として睡眠というシステム備わっている。睡眠は重要なのだ。私は本能にはあらがえない。身体が勝手に「ストン」と落ることもあるくらい眠い。いや基本眠いのだ。私は一旦睡眠状態に入ると、朝までグスーリZzz。。。と寝るタイプなので基本的に途中で目が覚めることはない。
ある夜のこと
その日はなぜか、ふよふよと意識が戻りつつあった。
眠いは眠い。なんなら集中すればもう1度夢の続きに戻れるくらいだった。なぜ目が覚めてしまったのかはわからない。だが、家が揺れたり、燃えたりもしていなかったので問題ないと判断し、再びスリーピングにダイブしようとシンキングしていた。すると隣から
「んんッ」とも「ンふぅ」とも聞き取れないような声がした。
隣に不二子ちゃんが寝ている可能性もあったが、あいにく私は大富豪でも、お宝を持っている隠居ジジィでもないのでその線はスグ消えた。
ということは十中八九、妻である。
只の寝言だろう。そう思って様子を伺っていたが、しばらくすると
「フーッ、フーッ、フッ、フッ、フッ、フッ」と呼吸が浅くなってきた。「んー」とか、「むー」とか、に加えてこれである。これはあれだな、いやはや、なんと申しますかハハハお代官様。「ええいw皆まで言うな、お主もワルよのぅwww」
そう、コレは…
うなされている
人は睡眠中に悪夢をみたり、あるいは半覚醒状態で身体が金縛りと言われる状態になったときに、それを脱しようと様々な抵抗を試みる。だが脳と運動機能のリンクが上手く作用しないので、助けを求めようとしても声が出ることは稀である。もしくは本人は叫んでいるつもりでも、周りにとってみれば声にならない声で唸っているようにしか聞こえない。
我々夫婦はお互いによくあることなので、こういう状態のときは一方が察知して、必ず起こしてあげるのが暗黙のルールとなっている。
しかし、今、まさに、
眠い!
眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い!
ここで妻を起こしてしまうと【徹底解説!何故、私はうなされていたのか】という緊急特番が始まってしまう…うぅ。ここはルールを無視して「寝ていたから気が付かなかったよハニー」と、朝になってスッ呆ける作戦が良いのではなかろうか?ウムそれが良い!と脳内会議では多くの賛同を得た。仕事で明日も早い私にとって、それくらい睡眠というのは大事ポジションにあるのだ。

でも、私は自らの欲よりも妻の欲を満たしてあげることに人生のステータスを全振りしているので、やはり起こしてあげることにした。相手の幸せ度を上げることが、自らの幸せ度の上昇に直結する。それは我が家のいつもの変わらぬ風景に過ぎなかった。声を掛け、起こしてあげようとした。まさに、その時、
・・・?
1つの疑問が頭に浮かんだ。
「声を掛けても良いのだろうか」
私が昔どこかで聞きかじったトピック「寝言に返事をしてはいけない」というワードが急に頭をよぎった。もし、寝言に対して返事をしてしまうと、寝ていた人が「死んでしまう」とか「早死にする」とか、昔の人はそんな迷信めいたことを言っていたらしい。現代ではどうも脳の活動に関連するとかで、レム睡眠がどうとか、ノンレムだとか、それっぽい理由付けをしているのだが…でも、そういった話題が時代を超えてあるということは、あながち全くの間違いというわけでもあるまい。
(よし、ここは声を掛けないでおこう)
ステータスを全振りしているが故の優しさ。決して面倒くさいとか、明日の朝早いからとか、まだ3時間は寝れるとかそういう自分勝手な思いではない。声を掛けずとも、うなされている人を安全に起こしてあげる方法もある。それは
手をつなぐ
私は何も言わず、隣に手を伸ばし妻の手をそっと握った。
寝ている人間の肩を、親の仇の如くバシバシと叩き「大丈夫ですかー、聞こえますかー」と口元に耳を近づけ、同時に胸と腹の上がり下がりを見て呼吸運動を確かめるようなことはしないのだ。
手を何度か「ギュッ」と握り、相手が覚醒するのを待つ。不思議なもので金縛りなどの半覚醒状態からの復帰は、外部からの刺激が有効となる場合が多い。(我が家の場合)
一定のリズムでポンポンしてあげることで、安心感を覚え再びスヤスヤと眠ることがある。そう、子どもを寝かしつける時と同じやり方だ。その要領でぎゅっ、ぎゅっ、と手を握り「ここにいるよー大丈夫だよー問題ないよーおkー金縛りねーオールクリアだよー」と無言でメッセージを送る。
すると「・・・フゥー」と長く息を吐き、まもなく呼吸が落ち着いてきた。身体の強張りや周囲に漂っていた妙に緊迫した気配も消え失せ、部屋に静寂が訪れた。だが、それでもしばらく手を繋いでいた。
それは「明日も早いので特番は後日たのむ」という意味合いも込めていたからだ。これは非常に高難易度なクエストで、一般の夫婦でも事前に研修に参加していなければ普通は伝わるわけがない。
だが、そこは25年の成せる業。
・・・・・・・ZZzzz。
目標は完全に沈黙、
我ら(?)の勝利である!
その後は誰も起きることなくスヤスヤと無事に眠ることができた。翌日、金縛りの内容に関する荒唐無稽で奇想天外な謎エピソードの解説があったのだが、それは私の胸の中にしまっておくことにしよう。
今回の件で得られた教訓は「ひとりで寝るより、ふたりがいい」である。イビキでもめようが、エアコンの温度で対決しようが、アラーム地獄に悩まされ、猫に枕を占拠されたって
やっぱり寝るのはふたりがいい。
そういうふうに、私は思うのです。
