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ekakinonakagawa
⚪️企画作品|森の信号機
森の信号機に味を付けることにしたのはクマ村長の発案だ。
最近は人間と動物の境界線が曖昧になって、人間が森に入って来たり、逆に森の動物が人里に下りたりして騒ぎになるケースが多い。
クマ村長でさえ、気づいたら民家の庭先で柿を食べていたなんてこともあった。
だから信号機を付けて、動物たちに注意喚起しようということになったのだ。
けれども、普通の信号機だとどうも具合が悪い。どうしてかと言うと、動物たちはみんな、信号が白黒に見えてしまうからだ。
そう。そこでクマ村長は考えた。
「味付きにしよう!」
「味って、どんな味なんです」
タヌキの助役が訊いた。
「季節のフルーツ味だ」
「ほう。それは良い考えです」
今はぶどうが盛り。という訳で、味はぶどうに決まった。
「甘いぶどうは🩵進んでよし」
「酸っぱいぶどうは❤️止まれ」
本当は人間用の信号機も必要なのだけれど、人間はルールを作っても自分たちは少しも守らないから却って世話が焼ける。
「だがこれで少しは良くなるだろう」
「森に平和が訪れますように」
そして森にはたくさんの信号機ができた。それらは、いずれも素晴らしい、けれどもほんのり危険な香りがするのだった。
(おわり)
🔵495文字
