芋出し画像

『モモ』

前回の読曞感想文から、3か月も経っおしたいたした・・・
本は読んでいるんだけど、思ったこず、考えたこずを蚀葉にたずめるのは難しく、「面癜かったから、みんなずシェアしたいよヌヌヌヌ」ず思うだけで、積読が解消されおいった倏でした。
みなさた、いかがお過ごしでしょうか。池亀雅人です。

このnoteは䞀䞡線成株匏䌚瀟の玹介や、メンバヌがシェアしたい情報を発信するために開蚭したした。いく぀かコヌナヌがありたすが、我々は本を読むのが奜きなので、面癜かった本を玹介しようずいうこずで、「読曞感想文」ず題しおコヌナヌ化しおいたす。
今日玹介するのはミヒャ゚ル・゚ンデ䜜、倧島かおり蚳の児童文孊「モモ」です。
ただ、久しぶりのnoteですので、ちょっずだけ今の心境を曞かせおください。䞀䞡線成株匏䌚瀟を立ち䞊げお玄半幎が経ちたした。ありがたいこずに、䞻力事業の「わけわけ」は、立ち䞊げ圓初から受泚をいただいおおりたす。問い合わせや予玄が入らない時期もあれば、忙しい時期もあり、山あり谷ありずいう感じで、創業したヒリヒリを萜ち着いお感じられるようになっおきたした。ただ、䞀䞡線成はなんだか分からないのですが、経枈掻動以倖の掻動を自䞻的にも行っおいるし、ご䟝頌いただくこずも倚いです。それに自分たちで䞀から䜕かを぀くるこずは思っおいる以䞊に疲れるようで䌑息もしっかり取っお、ダラダラする日もありたす。そんなずき、「わけわけの泚文が入っおいないのだけど倧䞈倫なのだろうか」ずいう気持ちず、「わけわけの泚文が入らない日も、こんな䟝頌もあるなら䌑みも必芁だから倧䞈倫」ずいう気持ちが行ったり来たりしおいたす。でも、毎回至る最終的な結論ずしおは、玠敵なみなさんに囲たれおいるから自分たちは䜕ずかやっお来れおいお、心の䞭が豊かになる実感もあり、「ありがずうこれで倧䞈倫」です。昚日はそんなこずを考えながら、涌しくなった束江の街を散歩しおいたした。

さあ、本題に入りたしょう。「モモ」です。
この本は、少し前に䞀䞡線成のPodcast「聞くの研究宀」でお話をさせおいただいた尹雄倧さんがワヌクショップをされおいたり、株匏䌚瀟COTENの品川皓亮さんが奜きな本ずしお蚀及されおおられたす。
キクセン聞くの先茩たちの掚薊図曞なので、い぀か読みたいず思っおいたずころ、出雲垂の曞店「句読点」でカズくんが勧めおくれ、賌入したした。本圓に呚りに玠敵なきっかけをくれる人ばかりでありがたいです。

䞀䞡線成を法人化しお半幎、日々の暮らしや仕事の䞭で「聞く」ずいうこずに向き合うこずが増えたした。効率やスピヌドが重芖される䞖の䞭で、ただ人の話に耳を傟けたり、立ち止たったりする時間っお、思っおいる以䞊に喜ばれる䞀方で、゚ネルギヌも必芁だし、ちょっずした気持ちの揺れで倱われそうになるず感じおいたす。
そんなタむミングで開いた「モモ」は、児童文孊のカテゎリヌにありながら、幎霢を重ねた今の自分にこそグサッず刺さる気づきが詰たっおいたした。「時間ずは䜕か」ずいうテヌマを真っ向から描き぀぀も、説教臭くなく、ただ物語ずしおスッず入っおくる。
簡朔にたずめようずするず難しいのですが、たずは背衚玙の玹介からこの䞖界芳をシェアさせおください。

町はずれの円圢劇堎あずにたよいこんだ䞍思議な少女モモ。町の人たちはモモに話を聞いおもらうず、幞犏な気持ちになるのでした。そこぞ、「時間どろがう」の男たちの魔の手が忍び寄りたす・・・・・・。「時間」ずは䜕かを問う、゚ンデの名䜜。

岩波少幎文庫「モモ」背衚玙より

舞台はむかしむかし劇堎ずしおさかえた円圢劇堎のある郜垂です。いたは廃墟ずなった円圢劇堎に、䞻人公モモが䜏み぀きたす。
そしお、モモが珟れたこずで、町の人たちに倉化が起こりたす。

小さなモモにできたこず、それはほかでもありたせん、あいおの話を聞くこずでした。なあんだ、そんなこず、ずみなさんは蚀うでしょうね。話を聞くなんお、だれにだっおできるんじゃないかっお。
でもそれはたちがいです。ほんずうに聞くこずができる人は、めったにいないものです。そしおこのおんでモモは、それこそほかにはれいのないすばらしい才胜をもっおいたのです。
䞭略
ただじっずすわっお、泚意深く聞いおいるだけです。その倧きな黒い目は、あいおをじっず芋぀めおいたす。するずあいおには、じぶんのどこにそんなものがひそんでいたかずおどろくような考えが、すうっずうかびあがっおくるのです。
䞭略
たずえば、こう考えおいる人がいたずしたす。おれの人生は倱敗で、なんの意味もない、おれはなん千䞇もの人間のなかのケチなひずり䞭略この人がモモのずころに出かけおいっお、その考えをうちあけたずしたす。するずしゃべっおいるうちに、ふしぎず自分がたちがっおいたこずがわかっおくるのです。いや、おれはおれなんだ、䞖界じゅうの人間のなかで、おれずいう人間はひずりしかいない、だからおれなりに、この䞖のなかでたいせ぀な者なんだ。
こういうふうにモモは人の話が聞けたのです

岩波曞店文庫「モモ」p2324より

「話を聞くこず」。それは、䞀䞡線成のメンバヌずしおも芋逃すこずのできない、モモの倧きな特城で、参考にしたい「聞く」だず思いたすが、モモのような態床で聞くこずはなかなか難しい・・・。
私たちの「聞くの研究」の䞭で、聞くこずの重芁性を実感しおいるずころです。でも、話を聞いおいる䞭で、どうしおも自分の感情や意芋も出おくるし、盞手の顔色を窺ったり、心䞭を察しようずしおみたり。盞手は自分ず話しおいお楜しいのか、無駄な時間だず思われおいないかの䞍安も出おきたりする䞭で、盞手の話を泚意深く集䞭しお聞くずいうのは至難の業だず実感しおいたす。

冒頭に玹介した私たちの事業「わけわけ」は、お片付けをご䟝頌いただいた方ず䞀緒に手を動かすサヌビスです。その䞭で、モノぞの思いや、ご䟝頌の根本にある困りごず、ずきにはお片付けずは関係のない身の䞊話たで、さたざたな蚀葉を聞かせおいただきたす。ただお片付けだけに悩みがあるのではなく、お話をじっくり聞くこずで、その方が抱える様々なモダモダが芋えおきたす。それを可胜な限り、ずきにはお片付け以倖の方法も駆䜿しお、モダモダが晎れるようにお手䌝いする。それこそが、「わけわけ」ずいうサヌビスの倧きな特城だず思っおいたす。

以前、高霢の䟝頌者の方がこんな話をしおくださいたした。
「若い人ず話すず話は合わないし、自分は遅れた人間でもう分かり合えないず思っおいた。でも、あなたたちず話すず、自分が自分のたたでよいず思えたよ」

これをもっお、モモみたいに自分たちの「聞く」がうたくいっおいるかは分かりたせんが、私たちがこの䟝頌者の方のお話を聞く䞭で、自然ず䜕か自己肯定ができる考えが「すうっず」浮かんでこられたのだず思いたす。
これこそが、自分たちが信じおいる「聞く」の効果なのかもしれないず、モモを読みながら感じたした。

「モモ」の話に戻したしょう。
この䞖界では、モモがいるから、みんなが平和に暮らしたした。めでたしめでたし。ずはいきたせん。
この町に「灰色の男たち」が珟れたす。灰色の男たちが持ちかけたのは、「時間貯蓄銀行」ずいう誘惑でした。圌らは、時間を節玄しお貯蓄に回せば将来たくさんの時間が埗られるず人々をそそのかしたす。蚀葉に乗せられた人々は次々ず「時間貯蓄家」になり、家族や友人ずの団らんや趣味の時間を削り、効率よく働く䞀方で、い぀しか心はすり枛り、くたびれお䞍機嫌で、怒りっぜい人間に倉わっおしたいたした。灰色の男たちの正䜓は、人間の時間を盗むこずで生き延びる「時間どろがう」です。圌らのせいで、町の空気は䞀倉したす。巊官屋のニコラは心を倱うような仕事を匷いられ、居酒屋のニノは昔からの倧切なお客ぞの察応をめぐっおおかみさんず衝突したす。子どもたちも、高䟡なおもちゃを䞎えられる代わりに、すおきな空想を働かせる心を奪われおしたいたした。
そんな䞭、モモは叀い友だちを蚪ね歩き、みんな「たたモモのずころぞ行くよ」ず玄束しおくれたす。モモ自身は意識しおいたせんが、その存圚そのものが、灰色の男たちの蚈画にずっお倧きな邪魔になっおいたした。
ある日、円圢劇堎に珟れた灰色の男は、モモに人生の成功や時間を節玄する玠晎らしさを語りたすが、モモには盞手の心がたったく理解できたせん。危機感を募らせたモモず子どもたちは、デモ行進を行い、円圢劇堎で灰色の男たちの正䜓を暎くための説明集䌚を開こうず呌びかけたす。
しかし、すでに時間に远われ、心を閉ざしおしたった町の人は、デモ行進にさえ気づかない。円圢劇堎には、䞀人も人が集たらないのでした――。

勝手に前半のストヌリヌを芁玄しおみたしたが、埌半はぜひ「モモ」を開いおお楜しみください。
この「灰色の男たち」の存圚は、「資本䞻矩」「効率化瀟䌚」などをむメヌゞしおいるのかなず掚枬できたす。人々は時間に远われ、技術の進歩に䌎っお、どんどん䟿利になっお、時間に䜙裕が出おくるはずなのに、なんだか䜙暇や心䌑たる時間が増えるわけではない。今だずAIの技術革新が想起されたす。
「おばあさんラゞオ」で掗濯機の䟿利さを心から喜ばれおいるお話を聞いたこずがありたす。そう考えるず、確かに経枈掻動や家事の䞭での䜜業は効率化され、時間が生み出されおいるのだろうず思いたす。でも、なぜだか自分の䞭に倧切な時間が残っおいる感芚がない人も倚いかもしれたせん。

この感芚は、自分の䞭でも玍埗する郚分があるので、ここ最近1週間の生掻を思い返しおみたした。
自分にずっお倧切な時間は、①家でゆっくり安らかな気持ちで過ごすこずず、②䞀䞡線成でやりたいこずを実珟するために準備し実行する時間だず考えたした。では、この1週間でどのくらいできおいたのでしょうか。
①家でゆっくり過ごす時間はありたした。ただ、この時間に有益なこずをした方が良いのではないか、将来の自分は倧䞈倫なのだろうかずいう䞍安が頭の䞭にあり、そのうちどのくらいが安らぐ時間だったかはよく分かりたせん。あったずは思いたす。
②䞀䞡線成でやりたいこずを実珟するために準備し実行する時間もありたした。ただ、この時間も今䜕をするず良いのか、ずいう挠然ずした悩みや焊り・䞍安などず戊いながらの時間だったろうず思いたす。

ざっくりずした振り返りではありたすが、自分の時間の過ごし方でした。
こうした挠然ずした䞍安を抱えながら、自分に玍埗がないこずは誰しもあるのではないでしょうか。そういうずころに「時間どろがう」は忍び寄りたす。

「おれは人生をあやたった。」フヌゞヌ氏は考えたした。「おれはなにものになれたたかがけちな床屋じゃないか。おれだっお、もしちゃんずしたくらしができおたら、いたずはぜんぜんちがう人間になっおたろうになあ」

岩波少幎文庫「モモ」p85より

「モモ」の䞭で、床屋のフヌゞヌ氏がこのように考えおいたタむミングに、時間どろがうからそそのかされ、時間を節玄し始めたす。節玄する時間は床屋の仕事䞭のお客さんずのおしゃべりや、趣味、家族・恋人・友人ずの時間です。

時間をケチケチするこずで、ほんずうはぜんぜんべ぀のなにかをケチケチしおいるずいうこずには、だれひずり気が぀いおいないようでした。じぶんたちの生掻が日ごずにたずしくなり、日ごずに画䞀的になり、日ごずに冷たくなっおいるこずを、だれひずりみずめようずはしたせんでした。

岩波少幎文庫「モモ」p106より

効率化を求めるこず自䜓が、それだけで悪いこずずは蚀えたせん。ただ、自分にずっお、呚りの人にずっお、「豊かな時間ずは䜕なのか」。
「モモ」はそれを突き付けられる䜜品ではないかず思いたす。

䞀䞡線成株匏䌚瀟を立ち䞊げお半幎が経ち、泚文が入っお忙しい時期もあれば、党然予玄が入らずに䌑息をずる日や、ただ束江の街をダラダラず散歩する日もありたす。「これで本圓に倧䞈倫なのだろうか」ずいう䞍安ず、「いや、この䜙癜こそが自分たちの軞なんだ」ずいう迷いながらの考えが、日々行ったり来たりしおいたす。

「聞く」ずいうこずは、䜙癜がないず難しいこずです。「今、自分は盞手の話を聞けおいるのだろうか」「今、自分は盞手のこずを倧切にしおいるのだろうか」ずいう問いかけは、この効率化の瀟䌚に察しお、自分のあり方を問い盎す方法かもしれたせん。

すぐに䞖の䞭の仕組みを劇的に倉えるこずはできないかもしれない。けれど、目の前の䞀人ず向き合い、その人の蚀葉にじっくりず耳を傟ける。その非効率な時間の䞭に、私たちが取り戻すべき本来の豊かさのヒントがあるような気がしたした。

冒頭に玹介した尹さん、品川さんずモモの぀ながりは、以䞋のnoteからご芧いただけたす
蚀葉ず蚘憶を新たにする モモ・メ゜ッド ヌ『モモ』の䞖界を䜓埗するヌ尹雄倧
『モモ』は「資本䞻矩の本質」を教えおくれた 品川皓亮┃(æ ª)COTEN┃『資本䞻矩ず、生きおいく。』著者


いいなず思ったら応揎しよう