挑戦者が集うラスベガスで見た「勝つ組織」の本質
ラスベガス3日目。
今日は、NBAの皆さんとのランチミーティングからスタートしました。
テーマは、NBAのビジネスサイドで働くスタッフのモチベーションを高める取り組み、NBAヨーロッパ構想、シンガポールで開催された「NBA Rising Stars Invitational 2026」、そして河村勇輝選手の挑戦まで、多岐にわたりました。
競技だけではなく、組織づくり、人づくり、カルチャーづくり。どのテーマも非常に示唆に富んでおり、あっという間の時間でした。
そのままアリーナへ向かい、まずは河村勇輝選手の試合を視察。

第1クォーター早々からコートに立ち、前半だけで5得点。後半は劣勢だったチームの流れを変え、24点差を追い上げる原動力となる活躍を見せてくれました。

結果は19分出場で12得点、3リバウンド、3アシスト。
FG 2/4(50%)
3P 1/2(50%)
数字ももちろん素晴らしいですが、それ以上に「どんな環境でも適応し、結果を出す」という河村選手の真骨頂を、また目の当たりにすることができました。

ここからさらに結果を積み重ねてくれる。そんな期待しかありません。
ほぼ同じ時間帯にはイ・ヒョンジュン選手の試合も行われており、徒歩1分ほどの距離にある別会場を行ったり来たり。

昨日に続き、選手たちからは「何としてもNBAプレーヤーになる」という凄まじいエネルギーが伝わってきました。
サマーリーグは、単なる試合ではありません。
ある種、人生を懸けたオーディションです。
だからこそ、一つひとつのプレー、一つひとつの表情に魂が宿っています。
夜は河村勇輝選手、パーソナルスキルコーチ、吉本コーチ、Bリーグ役員の岡本さんと食事をご一緒しました。
バスケットボールだけではなく、プライベートも含め、ゆっくり話すことができた貴重な時間でした。

河村勇輝選手は相変わらずナイスガイ。また、英語の上達具合が凄すぎる。
それ以上に印象的だったのは、このとてつもない競争を心から楽しんでいることです。
「自分でも、なぜここまで来られたのかうまく言語化できない。」
そう話しながらも、
「自分の挑戦や、たどり着ける立ち位置には再現性があると思っています。」
という言葉が、とても印象に残りました。
決して体が大きいわけでもない。
誰よりも高く跳べるわけでもない。
本人は「それでもできるから」と謙遜していましたが、私はそうは思いません。
ここまで積み重ねてきた努力。
高いレベルで戦うことを心から楽しめるメンタリティ。
プレッシャーを力に変える力。
それこそが簡単には真似のできない才能なのだと思います。
そして、自分自身の挑戦だけではなく、日本の次の世代、日本バスケットボールの未来まで考えて行動している。
その姿勢には頭が下がりますし、私自身も「もっとやらなければ」と背中を押されました。
本当に、とてつもない男です。
もう一つ、印象に残った話があります。
前半は苦しい試合展開でしたが、後半にチームが息を吹き返した背景には、ハーフタイムのロッカールームでの出来事があったそうです。
GMよりさらに上の立場の方がロッカールームに入り、
「たとえ寄せ集めのチームだったとしても、ペイサーズのユニフォームを着ている以上、その誇りを持ってプレーしなければならない。」
そう檄を飛ばしたそうです。
サマーリーグの一試合であっても、組織のトップがカルチャーを守るために自ら現場へ足を運び、メッセージを発する。
河村選手も「あの一言でチームの空気が締まった」と話していました。
この話を聞いて、あらためて思いました。
組織づくりにおいて、「現場に任せているから」という言葉は、ときに責任から距離を置くための便利な言い訳にもなり得ます。
もちろん、細かな現場運営まで口を出すべきではありません。
しかし、本当に大切な価値観や文化、組織として譲れない基準については、トップ自らが語り、示し、時には現場へ踏み込む覚悟が必要です。
カルチャーは自然には生まれません。
トップの本気があって初めて育まれるものだと、あらためて感じました。
吉本コーチとも、アメリカでのコーチング事情だけでなく、日本代表の体制や、勝ち続けるために何が必要なのかについて率直に意見交換をしました。
ヘッドコーチと経営者。
アシスタントコーチと役員。
立場は違いますが、その構造や役割は驚くほど似ています。
だから私は、現場の話を経営に置き換えながら聞くことが多いのですが、今回も学びの連続でした。
ここでは書ききれないほど価値ある対話ができたのも、海外だからこそ得られる財産です。
今回のラスベガス視察も、たくさんの学びと刺激をいただきました。
明日以降も河村勇輝選手のさらなる活躍、そして本契約獲得を信じて、日本からも全力で応援したいと思います。
そして、今回アメリカでお世話になったすべての皆さまに、心より感謝申し上げます。
ありがとうございました。
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