プラス12度で凍る「不思議な氷」、新幹線点検の暑さ対策に導入 JR東海とシャープ

 シャープは6月29日、JR東海(東海旅客鉄道)に手のひらサイズの蓄冷材「手掌冷却用+12℃適温蓄冷材」を納入したと発表した。新幹線の車両点検にあたる作業員が、暑い現場で手に握って体を冷やすのに使う。

適温蓄冷剤 適温蓄冷剤
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 手のひらを通る血液を冷やし、体の内側から冷ます仕組みだ。一般的な保冷剤よりあえて高い摂氏12度に保つのが特徴で、冷たすぎず、握り続けても痛くなりにくい。

 仕組みとしては、摂氏マイナス24度から摂氏28度の間で融点温度を自在にコントロールできる「適温蓄冷剤」を活用。融点を摂氏12度に設定することで、摂氏12度を長時間保つようにしている。融点が高いために、冷蔵庫(摂氏5度以下)でも凍らせることが可能だ。

 JR東海は今回100個を導入した。昨年8月から試験的に使ってきた同様の蓄冷材750個と合わせ、計850個を現場で活用する。作業の合間に「クーリングタイム」を設けるなど、夏場の暑さ対策を強化する考えだ。

 両社は今年1〜3月、新幹線の車両点検を想定した気温35℃の模擬環境(シャープ柏事業所、千葉県)で効果を検証した。作業の前や合間に蓄冷材を握る方法を試し、効率的に体を冷やせると確認した。今回の納入先は大阪台車検査車両所(大阪府摂津市)で、製品名は「TK-P12E2B」。

 JR東海の担当者は、冷蔵庫で冷やせて各作業場に導入しやすく、繰り返し使えるため現場の運用にも適しているとする。「昨年の夏に実際に使用した社員からは好評の声があり、今夏も積極的な活用を推進していきます」とコメントした。

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