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イラクリオン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
イラクリオン
Ηράκλειο
イラクリオンの港近くにあるイルカ像
イラクリオンの港近くにあるイルカ像
所在地
イラクリオンの位置(ギリシャ内)
イラクリオン
イラクリオン
座標 北緯35度20分 東経25度8分 / 北緯35.333度 東経25.133度 / 35.333; 25.133座標: 北緯35度20分 東経25度8分 / 北緯35.333度 東経25.133度 / 35.333; 25.133
域内の位置
行政
国:ギリシャの旗 ギリシャ
地方: クレタ
県: イラクリオン県
人口統計 (2021年)
ディモス
 - 人口:145,439 人
 - 面積:20 km2
 - 人口密度:7,272 人/km2
その他
標準時:EET/EEST (UTC+2/3)
イラクリオンの位置(クレタ島内)
イラクリオン
イラクリオンの位置(クレタ島)

イラクリオン(Ηράκλειον / Iraklion)またはイラクリオ(Ηράκλειο)は、ギリシャ・クレタ島北部にある都市で、その周辺地域を含む基礎自治体(ディモス)である。エーゲ海(クレタ海)に面した港湾都市で、クレタ地方の首府、イラクリオン県の県都。人口は14万5439人(2021年)[1]でクレタ島最大である。

ミノア文明(クレタ文明)の代表的な遺跡であるクノッソス宮殿は、市街の約5キロ南東に位置する。

地名

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イラクリオンはカサレヴサによる発音・表記で、現代ギリシャ語(デモティキ)ではイラクリオ(Ηράκλειο / Irákleio)。 現在の地名「イラクリオン」は、古代にクノッソスの外港として用いられた港湾都市ヘラクレイオン(古代ギリシア語: Ἡράκλειον)に由来する[2][3]。この港の名は、英雄ヘーラクレースにちなむ[4]。古代の地誌によれば、クノッソスから約20スタディオン、すなわち約3.7キロメートルの位置にあり[5]、ストラボンもクノッソスとその港ヘラクレイオンとの関係を記している[6]。古代港の所在地は、現在のイラクリオン市域の港湾地区付近に相当する。古代名「ヘラクレイオン」は19世紀に復活し、遅くとも1867年には現地住民の間で使用されていた[7]。

一方、824年にアンダルスから渡来した人々がクレタ島を征服してクレタ首長国を建てると、島の中心はゴルテュスから新たな城塞都市へ移された。この都市はアラビア語でラバド・アル=ハンダク(ربض الخندق, rabḍ al-ḫandaq、「堀の城」)と呼ばれた[8]。この名称はギリシア語に取り入れられてハンダクス(Χάνδαξ, Chándax)またはハンダカス(Χάνδακας, Chándakas)となり、さらにヴェネツィア支配下時には、ラテン語・イタリア語でカンディア(Candia)と呼ばれた[9]。。カンディアという名称は都市だけでなく、クレタ島全体を指す場合もあった。 続くオスマン帝国統治下では、都市はカンディイェ(قنديه, Kandiye)と呼ばれた[10]。

また、ビザンツ帝国による再征服後以降、現地のギリシア語ではメガロ・カストロ(Μεγάλο Κάστρο、「大きな城」)とも呼ばれ、住民はカストリニ(Καστρινοί、「城の住民」)と称された[11]。

歴史

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9世紀、イスラーム勢力によって街が建てられたとされるが、それ以前にも文明が存在したことを示す遺跡などが発見されている。その後、東ローマ帝国、ジェノヴァなどの支配を経て、13世紀初頭に第4回十字軍で勢力を伸張させていたヴェネツィアの支配下におかれた。現在でも、ヴェネツィア領時代の要塞が残されている。その後、20年以上に渡る攻防戦を経て、1669年にオスマン帝国がこの都市を獲得した。20世紀初頭にギリシア領となった。

観光

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市街地中心部
モロシニの泉
カザンザキスの墓

ミノア文明の遺跡である、クノッソス宮殿への観光拠点となっている。

  • 考古学博物館
  • クノッソス宮殿
  • モロシニの泉(ヴェニゼロス広場にある)

スポーツ

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OFIクレタとエルゴテリスFCの2つのサッカークラブが本拠地を置いており、両者の対戦はクレタ・ダービーと呼ばれている。

気候

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地中海性気候のため、冬季は雨が多く、夏季は雨が少なく乾燥する。夏季の日照時間は非常に長く、ほぼ毎日晴れる。年間を通じて温暖で、海洋性気候のため気温の日較差や年較差が緯度の割には小さい。

イラクリオン(1961-1990)の気候
月1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月年
最高気温記録 °C (°F) 24.7
(76.5)
26.2
(79.2)
29.4
(84.9)
34.5
(94.1)
38.0
(100.4)
41.3
(106.3)
41.0
(105.8)
42.0
(107.6)
39.5
(103.1)
35.7
(96.3)
31.2
(88.2)
28.5
(83.3)
42
(107.6)
平均最高気温 °C (°F) 15.2
(59.4)
15.5
(59.9)
16.8
(62.2)
20.2
(68.4)
23.5
(74.3)
27.3
(81.1)
28.6
(83.5)
28.4
(83.1)
26.4
(79.5)
23.1
(73.6)
20.1
(68.2)
17.0
(62.6)
21.9
(71.4)
日平均気温 °C (°F) 12.6
(54.7)
12.8
(55)
13.8
(56.8)
16.6
(61.9)
19.7
(67.5)
23.7
(74.7)
25.7
(78.3)
25.6
(78.1)
23.4
(74.1)
20.3
(68.5)
17.4
(63.3)
14.5
(58.1)
18.9
(66)
平均最低気温 °C (°F) 10.0
(50)
10.0
(50)
10.8
(51.4)
13.0
(55.4)
15.9
(60.6)
20.0
(68)
22.7
(72.9)
22.7
(72.9)
20.3
(68.5)
17.5
(63.5)
14.7
(58.5)
12.0
(53.6)
15.8
(60.4)
最低気温記録 °C (°F) 1.2
(34.2)
1.4
(34.5)
3.3
(37.9)
6.4
(43.5)
8.0
(46.4)
13.2
(55.8)
16.2
(61.2)
16.6
(61.9)
13.5
(56.3)
9.7
(49.5)
6.4
(43.5)
3.4
(38.1)
1.2
(34.2)
降水量 mm (inch) 91.5
(3.602)
77.4
(3.047)
57.4
(2.26)
30.0
(1.181)
15.2
(0.598)
3.2
(0.126)
1.0
(0.039)
0.7
(0.028)
19.5
(0.768)
68.8
(2.709)
58.8
(2.315)
77.1
(3.035)
500.6
(19.709)
平均降水日数 10.1 9.1 6.9 3.4 1.9 0.5 0.1 0.1 1.3 4.9 6.0 8.9 53.2
平均月間日照時間 117.8 124.7 176.7 228.0 300.7 351.0 372.0 347.2 282.0 198.4 150.0 120.9 2,769.4
出典:Hong Kong Observatory[12] NOAA (extremes)[13]

交通

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アテネの外港都市であるピレウスからフェリーが出ている。イラクリオン空港があり、アテネなどへの便が出ている。

クレタ島内の中心都市として、ハニアなど島内の各都市へのバスが出ている。

姉妹都市

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著名な出身者

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脚注

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  1. ↑ “City Population”. 2025年10月29日閲覧。
  2. ↑ Talbert, Richard J. A., ed (2000) (英語). Barrington Atlas of the Greek and Roman World. Princeton University Press. p. 60. ISBN 978-0-691-03169-9
  3. ↑ “Digital Atlas of the Roman Empire”. Lund University. 2026年7月14日閲覧。
  4. ↑ ビュザンティオンのステファノス『エトニカ』「ヘラクレイオン」の項
  5. ↑ 。『スタディアスムス・マリス・マグニ(英語版)』348–349節
  6. ↑ 。ストラボン『地理誌』第10巻、Casaubon版476・484頁。
  7. ↑ Howe, Samuel Gridley (1868) (英語). The Cretan Refugees and Their American Helpers. Boston: Lee and Shepard. p. 33
  8. ↑ Encyclopaedia of Islam, Second Edition, s.v. “Iḳrīṭish”.
  9. ↑ 亀長洋子『イタリアの中世都市』山川出版社、2011年、84頁。ISBN 978-4-634-34944-5。
  10. ↑ Sezen, Tahir (2017) (トルコ語). Osmanlı Yer Adları [オスマン帝国の地名]. Ankara: T.C. Başbakanlık Devlet Arşivleri Genel Müdürlüğü. p. 410. ISBN 978-975-19-3945-6
  11. ↑ Greene, Molly (2000) (英語). A Shared World: Christians and Muslims in the Early Modern Mediterranean. Princeton University Press. p. 41. ISBN 978-0-691-00898-1
  12. ↑ "Climatological Information for Iraklion, Greece" – Hong Kong Observatory
  13. ↑ “Iraklion Climate Normals 1961-1990”. National Oceanic and Atmospheric Administration. 2012年12月19日閲覧。

外部リンク

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